上院がCLARITY法案の議事妨害解除を49対50で否決、Bitcoin(BTC)市場構造法制は停滞へ
米上院はCLARITY Actの議事妨害解除を49対50で否決。Bitcoinの市場構造規律は停滞し、業界はAtkins委員長率いるSEC・CFTCのルールメイクへと舵を切った。
上院、議事妨害解除を49対50で否決
米上院は9月15日、デジタル資産の監督権限をSECと先物規制当局であるCFTCの間で分割することを定めた市場構造法案「CLARITY Act」について、本会議審議入りに必要な議事妨害解除(クローチュア)動議を49対50で否決し、法案審議を進められなかった。必要とされた賛成60票には遠く及ばなかった。共和党からはSusan Collins、Josh Hawley、Jerry Moran、Thom Tillisの4議員が野党側に付いて動議に反対し、デラウェア州選出の民主党Chris Coonsは棄権した。結果として、共和党主導の法案は民主党からの賛成票を1票も得られない形となった。否決の前日には、Cynthia Lummis上院議員が農業委員会のJohn Boozman委員長、銀行委員会のTim Scott委員長とともに、交渉を経た126項目の修正を反映した最終案(全635ページ)を公表したばかりだった。最終案には、Tillis-Gallego提案をモデルにした倫理条項――連邦公務員とその配偶者の暗号資産ビジネス関与を制限する――、ステーブルコイン利回りに関連する預金流出に対処するための財務長官への新たな権限、そしてマネートランスミッター登録義務からdapp開発者を保護する規定などが盛り込まれていた。Lummis氏は1年以上にわたる交渉の末、民主党側が新たな要求を繰り返し、最終的には政治家個人の暗号資産保有を制限する措置や消費者を詐欺から守る規定に反対票を投じたと主張した。一方、議場ではElizabeth Warren上院議員が反対の立場から、倫理条項があっても大統領が暗号資産事業から利益を得続ける余地は残ると主張した。なお上院の議事録によれば、Tillis氏は再議決を求める権利を確保する目的だけで動議に反対したという。
業界は規制当局へ旗振り変更
否決を受けて業界の注目は直ちに各規制当局へ移った。RippleのBrad Garlinghouse CEOはXへの投稿(採決後の彼の声明)で建設的なトーンを示し、米国の暗号資産業界には依然として自信を抱く根拠があり、Paul Atkins委員長率いるSECとSelig委員長率いるCFTCが立法の空白を埋めるルール作りを継続するとの見方を示した。月曜に開かれたSolana Policy Institute SummitでAtkins氏は、立法面の支援の有無にかかわらず、より明確な暗号資産ルールを提供する姿勢を改めて表明した。ただし当局への依存にはコストが伴う。NEARの法務責任者Abhishek Vaidyanathan氏は、法案否決により企業は当局のガイダンスと行政裁量のみに全面的に依存することになると警告し、2027年度の予算計画を個別ケースごとの判断に後回しにせざるを得ないと指摘した。その上で、次の議会が現実的な時間的窓口だと同氏は述べた。下院は9月21日と9月28日の週を取りやめ、上院は11月3日の選挙前に向けて10月5日から議員帰郷期間に入るためだ。Bitget WalletのCOO Alvin Kan氏は、今回の結果について、証券法・商品法・資金移動規制が各種プロダクトにどう適用されるかをめぐる不確実性の継続だと評した。議会よりも早く価格をつけたのは予測市場だ。Polymarketにおける「CLARITY Actが2026年中に成立する」確率は火曜日に5%まで下落し、1月の市場開設以来の最安値を更新した。現物暗号資産ETFの承認から取引所運営までを長らく覆ってきた不透明感が、さらに深まった形だ。Tillis氏はすでに再議決の手続きに動いており、1inchの法務責任者Orest Gavryliak氏はこの結果を「否決ではなく遅延」と位置づけた。
採決後の彼の声明https://x.com/bgarlinghouse/status/2099943667473543484?s=20
Atkins氏の三本柱ルールメイク
SEC自身も空白を埋める動きを進めている。Paul Atkins委員長は9月14日のSolana Policy Instituteでの講演(その発言原文)で、三本柱の枠組みを提示した。すなわち「Regulation Crypto Assets」の提案、 custodyルールの策定、そしてトランスファーエージェント規則の近代化である。カストディーについては、登録投資顧問が暗号資産を自己保管できるようにする――規制対象ファンドの保有を含む――提案の起草をスタッフに指示しており、州法に基づく信託会社をカストディアンとして認める方向も含まれる。その理由として同氏は、多くのデジタル資産にはそもそも適格な第三者カストディアンが存在しないことを挙げた。第一の柱にあたるRegulation Crypto Assetsは8月18日に正式提案済みで、暗号資産投資契約向けに調整された発行制度を創設する。4年間で最大500万ドル、または任意の12カ月間で最大7,500万ドルの調達なら、開示条件を満たせば免除が適用される。加えて、適格な投資契約を証券法上の「投資契約」の定義から除外する条件付きセーフハーバーも設けられる。Atkins氏はパブリックコメントで寄せられた重要な未解決問題も指摘した。規制された投資契約がいつ消滅するのか、という点だ。第三の柱は、1970年代末から1980年代初頭以来ほぼ手つかずのトランスファーエージェント規則を近代化するもので、電子通信、記録管理、そしてブロックチェーン基盤の発行・株式移転が対象となる。Atkins氏は議会に対してCLARITY Actの成立を依然促す一方、立法の行方にかかわらずSECは独自の規制トラックを推し進めると明言した。 市場をリアルタイムで追いたい読者は、MEXCで現物・先物価格をライブで確認できる。
ルールメイクに重くのしかかる負担
Bitcoin(BTC)をはじめ市場全体にとっての実務上の問いは、どちらのトラックが先に拘束力を持つのかだ。SECが公開しているRegulation Crypto Assetsの提案文面そのものを精読した限り、COINOTAGの見立ては明確だ。これはあくまで提案であり、最終規則ではない。暗号資産投資契約の発行者向けに免除とセーフハーバーを定めているものの、発効日は明記されておらず、コメント期間を経て採択されるまでは誰に対する拘束力も持たない。しかもその射程は、SECとCFTCの管轄分界を一括して確定させていたはずの、上院が棚上げしたばかりの市場構造法案に比べてはるかに狭い。議会が11月3日の選挙後まで機能停止に陥るなか、規制の明確性につながる実質的に唯一の生きた道は当局のルールメイクだ――そしてその道こそ、業界がわずか2日前に不満を並べ立てた行政裁量に依存しているのである。
関連タグ

AIによって生成され、AIによるレビューを経て、COINOTAGの編集監督のもとで公開されました。


