サウスカロライナ州が暗号資産推進・CBDC禁止法を成立、AIエージェント決済でステーブルコイン台頭

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暗号資産ニュース

米サウスカロライナ州のヘンリー・マクマスター知事は5月19日、上院法案「S.163」に署名し、同州を暗号資産推進州として明確に位置づける包括法を成立させた。新法は、個人や企業が決済手段としてビットコインなどの暗号資産を受け入れる権利、ならびに自己管理型ウォレットやハードウェアウォレットによる自己保管の権利を保証する。州機関および地方自治体に対しては中央銀行デジタル通貨(CBDC)での支払い受入や連邦準備制度の試験プログラムへの参加を禁じる条項も盛り込まれた。法案は上院38対1、下院110対1という圧倒的多数で可決された。

サウスカロライナ州暗号資産推進法

同法はマイニング事業者にも幅広い保護を与える。工業地域における差別的な規制や騒音規制を禁じるとともに、マネートランスミッター免許の取得義務を免除し、マイニング代行やステーキング代行サービスは証券の提供に該当しないと明文化した。一方で、電力系統への追加負荷を回避することや、要請に応じて公共サービス委員会へ電力購入契約の写しを提出することも義務付けられている。コンセンサスメカニズムを支える産業基盤として、州レベルでの規制環境整備が一段と進んだ格好だ。

決済領域では、AIが人間の最終承認を経ずに自律的に支払いを実行する「エージェント決済」が次世代インフラとして急速に立ち上がりつつある。AIエージェントには銀行口座も信用履歴も存在しないため、ステーブルコインを格納した暗号資産ウォレットからの極小額・即時送金との相性が際立つ。コインベースとCloudflareが2025年5月に立ち上げた決済プロトコル「x402」は、長年休眠していたHTTPステータスコード「402 Payment Required」をAI決済向けに再活用したものだ。オンチェーンデータによれば、ソラナチェーン上だけで既に3,500万件超の取引を処理し、累計取引高は1,000万ドルを突破している。

伝統金融側の動きも活発だ。Visaは130億ドル超を投じて「Intelligent Commerce」プラットフォームを構築し、数百件のAI完全自律決済を成功させた。Mastercardは「Agent Pay」を発表し、利用上限や送金先を制限したデジタルトークンの発行で安全な自律決済の枠組みを整えた。Stripe、PayPal、Google、OpenAIなどテック大手も規格策定に参画しており、本人認証から「このAIに支払権限が与えられているか」を検証する仕組みへとパラダイムシフトが進行している。透明性を備えたブロックチェーン決済と従来型カードネットワークの併存が見込まれる。

暗号資産市場全体の動向

欧州ではユーロ建てステーブルコイン構想「Qivalis」が大幅に拡大した。新たに25行が参画し、15カ国・37行体制となった。ABN AMRO、Rabobank、Intesa Sanpaolo、Nordea、Erste Group、ナショナル銀行・オブ・ギリシャなどが名を連ねる。グローバルなステーブルコイン市場は3,180億ドル規模に達するが、その99%を米ドル建てトークンが占める。Qivalisは2026年下半期にEUのMiCA枠組み下でユーロ建てステーブルコインを発行する計画で、オランダ中央銀行への電子マネー機関(EMI)ライセンス申請も進行中だ。トークン化金融の浸透を背景に、欧州はドル依存からの脱却を狙う。

マクロ環境では市場全体の暗号資産時価総額が2兆5,400億ドルと0.28%上昇し、株式市場からの資金ローテーションが下支えとなった。一方で米30年債利回りは5月19日に5.19%と2007年7月以来の高水準を記録し、債券市場のストレスが燻る。インドルピーは対ドルで96.9と過去最安値を更新し、100ルピー突破のシナリオが現実味を帯びる。マイニング機器大手Canaan(CAN)は北欧の地域熱供給網へ水冷式マイナー「Avalon A1566HA」を供給し、最終的に8MWで約2,800世帯へ温水を供給する一方、第1四半期は8,870万ドルの純損失を計上した。

今サイクルの底流にあるのは、規制環境の二極化と決済インフラ刷新の同時進行である。米国では州レベルでの暗号資産擁護とCBDC拒絶が制度として固定化されつつあり、欧州はMiCAを軸にユーロステーブルコインで対抗軸を構築する。AIエージェント決済の本格化はステーブルコイン需要を構造的に押し上げ、マイニング産業はハッシュ・トゥ・ヒートのような実需連動型へと進化する。債券利回り急騰や新興国通貨安が示すマクロ不安の中、暗号資産は投機資産から金融インフラの基盤レイヤーへと位置づけを変えつつある。

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Takeshi Yamamoto

COINOTAG yazarı

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