Tether金担保カード始動、FCAが英クラブに警告、BitMine優先株3億ドル発行へ
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ステーブルコイン発行最大手のTetherは6月3日、デジタル銀行プラットフォームのFassetと提携し、金(ゴールド)に裏付けられた世界初のVISAカードを投入した。利用者は決済時に金担保ブロックチェーン資産であるテザーゴールド(XAUT)残高から支払い、瞬時にUSDT、さらに法定通貨へと変換される仕組みだ。対象取引には最大6%のXAUTキャッシュバックが付与され、端数を自動で金に積み立てる「ラウンドアップ機能」も搭載する。トークン化されたゴールドの時価総額はすでに53億ドルを突破し、うちXAUTが26億ドル超を占める。通貨不安を抱える新興国を中心に、価値保存と日常決済を橋渡しする実需の取り込みを狙う。
イギリスの金融行動監視機構(FCA)は同日、無許可の暗号資産企業とのスポンサー契約を結ばないよう、プレミアリーグのクラブへ書簡を送付した。FCAは、ライセンスを持たない事業者がサッカーファンを標的とし金融サービスを提供している実態を指摘し、利用者が「すべての資金を失う恐れがある」と警告。クラブ側にも、デューデリジェンスを怠った場合に法的責任やマネーロンダリングリスク、評判の毀損が生じうると注意を促した。Wolverhamptonを後援したLAK3、ChelseaやManchester Cityと提携するBingX、OKXも、現時点で英国の認可事業者登録簿には記載されていない。スポーツマーケティングと暗号資産規制の境界が改めて問われる事態となっている。
暗号資産取引所のBitgetは、株式トークン現物商品の刷新版「Stocks 2.0」をローンチした。ライセンスを有するRWA発行プラットフォームRealityが発行を担い、原資産株式との1:1対応、USDTによる直接取引、現金配当のUSDT付与、株式分割など企業アクションへの自動反映を実装した。第1弾ではApple、Amazon、Meta、Tesla、Alphabet、NVIDIA、Microsoft、QQQなど36種類の主要株式・ETF連動資産が上場する。基本手数料率は0.1%、BGB保有者には0.05%の優遇を提示し、既存RWA商品との価格差別化を図る。2026年1月時点で同所の株式トークン累計現物取引量は10億ドルを突破しており、トークン化資産市場の中核プレイヤーとしての地位を強化する戦略だ。
イーサリアム最大の財務会社BitMine Immersion Technologies(BMNR)は、年利9.5%の永久優先株を発行し3億ドルの調達を計画する。SEC提出書類によれば、額面100ドルの優先株300万株を発行し、ニューヨーク証券取引所にティッカー「BMNP」で上場する見込みだ。配当は週次で現金支払いされる。Fundstrat共同創業者Tom Lee氏が率いる同社は、過去1年間で530万ETH以上を蓄積し、循環供給量の約4.5%を保有する積極的な買い手だが、ETH価格が5,000ドル付近から1,800ドル以下へ下落したことで、含み損は約90億ドルに達している。Strategy、Strive、Metaplanetが先行する優先株モデルをアルトコイン財務戦略へ応用する初の本格事例として注目される。
JPMorgan ChaseのJamie Dimon CEOは、英ネオバンクRevolutの成長スピードを「妬ましい」と評価する一方、暗号資産業界に有利とされるCLARITY法案には徹底抗戦する姿勢を表明した。Revolutは2025年に売上高を46%増の60億ドル、税引前利益を57%増の23億ドルへ引き上げ、世界の顧客基盤は7,500万人を超える。Dimon氏はステーブルコイン発行体が銀行と同等の資本・流動性・消費者保護規制を負わずに預金類似の利回りを支払う構造を問題視し、CoinbaseのDEX(分散型取引所)戦略を率いるBrian Armstrong氏を名指しで批判した。銀行ロビーの圧力で同法案は審議が停滞し、ステーブルコイン利回り条項の追加引き締めが議題に浮上している。
そのRevolut自身は、来年立ち上げ予定の米国銀行を通じてステーブルコインサービスを展開する計画を明らかにした。FDIC保険付き口座、複数通貨預金、株式取引、暗号資産サービスを統合提供する設計で、まずは複数通貨を管理する個人・法人顧客を主要ターゲットとする。同社は2026年3月に米国全国銀行免許を申請しており、これが認可されれば単一の連邦規制枠組みのもとで全米展開が可能となる。市場規模が3,195億ドルへ拡大したステーブルコイン分野では、SoFi、Falcon Finance、MoneyGramら新規発行が相次ぐ。フィンテックと既存銀行の境界が崩れ、デジタルドル商品が決済・銀行サービスの中核へ移行する流れが鮮明だ。
本日の動向を貫く構造的テーマは、暗号資産インフラの「実物経済への接続」と「規制境界線の再画定」だ。Tetherの金担保カードとBitgetの株式トークン2.0はDeFi(分散型金融)と現実資産(RWA)の融合を加速させ、BitMineの優先株とRevolutの米銀構想は伝統金融の調達・口座機能へ暗号資産企業が深く食い込む姿を示す。一方、FCAの警告とDimon氏のCLARITY法案批判は、規制当局と既存銀行が消費者保護とビットコイン関連商品の急拡大に明確な防波堤を築き始めたことを物語る。実用化と規制強化、この二つの矢印が同時に強まる局面こそ、現サイクルを定義する転換点である。