株式トークン化で2兆ドル・3億人流入予測、NEC国産カストディ着手、DeFi被害74%減
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暗号資産ニュース
バイナンス・リサーチが4日に公表した最新レポート「Equity Layer: From Tokens to Tickers」によると、株式のトークン化が進展することで2031年までに約3億人の新規投資家と約2兆ドル(約320兆円)の資金がグローバル株式市場に流入する可能性がある。同レポートは現状を1602年のオランダ東インド会社による世界初の公開株式発行、1971年のナスダック電子取引所開設に並ぶ「第3の転換期」と位置付けた。世界人口の大半が米国株式市場へのアクセスを欠く中、米国外では株式参加率20%未満の国も多く、構造的な非対称性が存在する。株式がパブリックブロックチェーン上で小口化されることで、新興国の個人投資家に新たな入口が開かれると指摘した。
NECとCrypto Garageは5日、国産のデジタル資産カストディシステムの共同開発に向けた協業を発表した。両社は金融機関、機関投資家、企業向けにサービスを提供する計画で、2026年内に開発に着手し、2027年中に予定される金融商品取引法の改正施行と同時の稼働開始を目指す。NECは金融機関の業務フローに最適化した管理アプリケーションとシステム基盤を担当し、Crypto Garageは秘密鍵管理技術やコールドウォレット運用の知見、AML/CFTに準拠したバックエンドを開発する。現行カストディの多くは海外企業製で、国内法規制対応やサプライチェーンリスクが課題とされてきた。将来的にはステーブルコイン保管対応も視野に入れ、業界コンソーシアム組成も検討する。
Bitgetは4日(UTC+8)、Unified Trading Account(統合取引口座)およびUSDT-M無期限先物のマルチアセットモードにおいて、15銘柄のトークン化株式およびETFを証拠金資産として利用可能にした。対象にはrAAPL、rTSLA、rNVDA、rMSFT、rGOOGL、rAMZN、rMETAなどの主要米国株トークン化版に加え、rQQQやrSPYといったETFラッパーも含まれる。ユーザーは現物保有を維持したまま先物取引の証拠金として活用でき、ビットコインやアルトコインと並列の担保資産として運用できる。同社プラットフォームは既にトークン化株式、ETF、商品、外国為替、貴金属など100銘柄超を扱っており、デジタル資産と伝統金融の融合需要を背景にUEX(ユニバーサル取引所)構想を加速させている。
Coinbaseは4日、未上場企業へのエクスポージャーを提供する「プレIPO市場」を米国外の対象地域で開始し、第1弾としてSpaceXを上場した。商品はUSDC建ての無期限先物契約で、SpaceXの未公開時点の推定評価額に連動し、24時間365日取引可能、ロールオーバーや満期は存在しない。将来的にSpaceXがIPOを実施した際、保有ポジションは上場後の無期限先物契約へ自動移行する設計となっている。米国居住者は規制上の制約から対象外。Kraken親会社のPaywardやBinance、Bitgetも類似のトークン化未公開株商品を立ち上げており、暗号資産取引所による民間市場アクセス競争が一段と激化している。Bernsteinの試算では実物資産トークン化市場は510億ドル規模に拡大している。
米上院共和党の議員グループは、5月27日付の書簡でデジタル資産に関わる銀行自己資本規制の明確化を金融規制当局に要請した。書簡はシンシア・ルミス上院議員が主導し、連邦準備理事会副議長、FDIC議長、通貨監督庁長官に宛てられた。現行のバーゼル委員会基準では暗号資産保有に1,250%のリスクウェイトが課されており、議員らはこれをビットコインを含むデジタル資産の銀行保有を事実上禁止する水準と指摘した。書簡は11月の中間選挙前の成立を目指す「CLARITYアクト」の審議再開に合わせて公表され、議員らは技術中立的なアプローチに基づく新たな資本枠組みの整備を強く求めた。
Web3セキュリティ企業Immunefiの2026年エコシステム脆弱性監査によると、DeFiプロトコルのエクスプロイト被害は2022年のピーク26億2,000万ドルから2025年は6億8,030万ドルへと74%減少した。1件あたりの被害中央値も600万ドルから150万ドルへ75%縮小し、より構造的な改善を示すと評価された。フラッシュローン攻撃は2020年の損失全体の54%から2025年には1%未満へ、ブリッジ攻撃も73%から3%へ激減した。秘密鍵流出も28.7%から8.1%に低下している。一方で年間インシデント数は増加傾向にあり、AIを活用した攻防のせめぎ合いが新たな段階に移行しつつあると指摘した。
今週の動きを貫くテーマは、暗号資産インフラと伝統金融の統合が加速段階に入った点にある。バイナンスやBitgetによるトークン化株式の本格展開、Coinbaseの未上場株先物投入は、取引所が単なる暗号資産プラットフォームから「金融スーパーアプリ」へと変質する潮流を示す。NECとCrypto Garageの国産カストディ開発は、機関投資家を受け入れる制度基盤整備が日本でも本格化していることの象徴だ。並行して米議会では銀行のデジタル資産保有を実務上可能にする資本規制改革が議論され、DeFi側でも安全性指標が改善している。規制整備、機関化、技術成熟が同時進行する局面と言える。