Zcashが緊急ハードフォークで重大脆弱性を修正、KDDIとコインチェックが新会社設立、edgeXは最大10万ドル補償へ

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暗号資産ニュース

プライバシー特化型暗号資産Zcashの財団は、中核取引システムに発見された重大な脆弱性を修正するため、史上類を見ない緊急ネットワークアップグレードを実施した。問題は2022年に導入されたプライバシープール「Orchard」を支える暗号サーキットに存在し、悪意ある第三者が保有していない資金を使用できる恐れがあったとされる。5月29日に独立系研究者が報告した後、開発者はソフトフォークでOrchard取引を停止し、ブロック3,363,426で関連活動を凍結。続いて「NU6.2」と呼ばれるハードフォークによって修正版サーキットを反映させ、機能を恒久復旧させた。ブロックチェーン横断の「ターンスタイル」機構によりZECの総供給量に異常がないことも確認されている。

国内では、KDDIとコインチェックが業務提携契約を締結し、auフィナンシャルホールディングスを加えた3社で新会社「au Coincheck Digital Assets」を設立した。中核事業はノンカストディアルウォレットで、ステーブルコインやトークン化資産を含む「オンチェーン金融」の拡大を見据えた布陣となる。新会社の社長に就任した笠井道彦氏は「オンチェーン化の進展は共通認識になってきている」と述べ、2030年には利用者から意識されない裏方の金融インフラを目指すと語った。決済・預金・投資・ポイントをシームレスに接続するプログラマブル・マネーの世界観が、通信大手の戦略の柱に据えられている。

分散型デリバティブ取引所のedgeXは、自社トークン「EDGE」を襲ったフラッシュクラッシュ攻撃の調査報告書を公表した。同社は事件への一切の関与を否定し、チーム配分のトークンに変動はなかったと強調している。攻撃は流動性が薄い時間帯を狙い、高レバレッジの無期限先物とCEX側の流動性動向を組み合わせて瞬間的な暴落を演出した手口だったとされる。OKX、Bybit、Bitget、Bithumbから提供された予備分析でも組織的な相場操縦は確認されなかった。edgeXは20万USDCの分散型取引所(DEX)向け報奨金プールを設定し、影響を受けたロングポジション保有者に対して1人最大10万USDCの見舞金を支払う方針だ。

イスラエルの税務当局は、2025年8月に開始した暗号資産に関する自主申告制度の利用が想定を大きく下回ったと明らかにした。当局は最大10億ドル規模の税収を見込んでいたが、これまでに申告された資本利益は5,000万ドル相当にとどまり、制度を利用した申告者はわずか58名だった。期限となる2026年8月31日までに正確に申告し納税を済ませた保有者には刑事手続きの免責が与えられるが、匿名性の欠如が利用拡大の障壁となっていると専門家は指摘する。中央銀行の推計ではイスラエル国民は10億ドル相当のアルトコインを含む暗号資産を保有しており、未申告の潜在規模は依然として巨大だ。

ステーブルコイン最大手のTetherは、デジタルバンキング企業Fassetと共同でゴールド裏付け型ステーブルコイン「XAUT」を原資とするVisaカードを発表した。決済時にはXAUTが自動的にUSDTへ換算され、最終的に法定通貨に変換される仕組みで、Visa加盟店であれば世界中で利用可能となる。利用者は対象購入で最大6%のキャッシュバックをXAUT建てで即時受領でき、端数自動投資機能も用意される。XAUTは1トークンが1トロイオンスの実物金を表象し、スイスの金庫で監査を受けて保管されている。時価総額は約27億ドル規模で、伝統的に「価値の保存手段」とされてきた金を、決済手段として再定義する試みとなる。

マクロ面では、ブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオ氏がAI関連株を巡るバブルに警鐘を鳴らした。技術の失敗ではなく、投資家が債務返済や課税のために紙の上の含み益を現金化せざるを得なくなる局面でバブルが崩壊するという見立てだ。米政府が5兆ドルの歳入に対し7兆ドルを支出している不均衡が国債市場の負荷を高め、長期金利上昇という形で既に圧力が顕在化していると指摘。Alphabet、Amazon、Meta、Microsoftの4社だけで2026年のAIインフラ投資が6,500億ドル規模に達する見通しの一方、ダリオ氏のバブル指標は2000年や1929年と同等水準にあるという。中間選挙後から大統領選までの期間が脆弱な窓口になり得ると警告した。

今回の事象群を貫くテーマは、暗号資産が「投機的な周辺領域」から「制度・決済インフラ」へと急速に組み込まれていく過渡期の歪みである。Zcashの緊急修正はプロトコル成熟度の試金石となり、KDDIの参入は通信×金融の制度的橋渡しを象徴する。edgeXの補償対応はDeFi(分散型金融)が責任設計の段階に入ったことを示し、イスラエルの申告制度やTetherの金カードは規制と決済の現実的接点を浮き彫りにする。背景でダリオ氏が示すマクロ流動性リスクは、ビットコインを含む全資産クラスに通底する課題であり、制度化と脆弱性が同時進行するサイクルの中心にある。

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Takeshi Yamamoto

COINOTAG yazarı

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