Glassnodeデータ:Bitcoin(BTC)の売り手リスク比率が7ベーシスポイントへ半減
GlassnodeデータでBitcoinの売り手リスク比率が7ベーシスポイントに半減。BTCは7万7,000ドルへ下落し、ETF資金流出とCPI待ちの相場が続く。
AI要約AI
- Bitcoinの売り手リスク比率が7ベーシスポイントへ半減、8月ピークは16ベーシスポイント
- BTCが7万8,000ドルのサポートを失い、7万6,700ドル付近まで一時下落
- 米現物Bitcoin ETFが3営業日で約4億5,000万ドルの純流出、ARKBが主導
- 8月の米PPIが前年比5.4%に上昇し、予想と前回値を上回る
売りは静穏、買い手不在
Bitcoin(BTC)は金曜日に下落を続け、アジア時間には7万7,000ドル水準まで押しを広げ、一時は7万6,700ドル付近まで沈んだ。特筆すべきは、売り圧力が驚くほど沈静化しているまま下げが進んでいる点だ。オンチェーン分析の最新ウィークリーレポート「Week On-chain」によれば、実現損益を実現キャップで割った7日平均の売り手リスク比率は1日あたり約7ベーシスポイントまで圧縮された。これは8月のピーク時の約16ベーシスポイントの半分以下であり、昨年7月と10月の高値で記録した35ベーシスポイント、23ベーシスポイントからも大きくかけ離れている。一方、長期ホルダーが実現利益に占める割合は88%から47%へ低下しており、パニック的な投げ売りではなく、需要そのものの失速を示唆している。詳細は当メディアのBitcoin関連報道を参照されたい。
週足EMAが試される
チャート面でも慎重色が強い。BTCは7万8,000ドルのサポート帯を失い、4時間足のRSIは34.25まで低下、Supertrendもベアリッシュに転じた。最初の回復目線となる抵抗は7万9,060ドル付近だ。アナリストのTed Pillows氏は、Bitcoinが現在7万7,000ドル付近の50週EMA(指数移動平均)をテストしており、週足終値でこれを下回れば7万2,000〜7万4,000ドルのゾーンへの下落が開くと警告する。デリバティブ市場の動きはより微妙だ。トレーダーのDaan Crypto Trades氏の観測では、7万8,000ドル付近で新規ショートが積み上がり、清算クラスターは8万ドル付近に集中している。資金調達率がマイナスに転じつつあるため、7万8,000ドルを取り戻せばショートの買い戻しを強制し、この流動性目掛けたスクイーズを誘発する可能性がある。
HODL Waveの異常
より深いオンチェーン履歴も警戒感を裏付ける。HODL Wavesデータによれば、7月1日にBTCが一時5万8,000ドルを下回った際、直近1〜7日で動いた供給量はわずか1.97%にとどまり、7月5日になっても2.35%へ微増しただけだった。マクロのボトムに見える局面としては異例に鈍い反応だ。オンチェーンアナリストのWilly Woo氏はこのパターンを「異常」と評し、ボトムを買った主体は緩慢に買い進めたこと、さらには単一のクジラだった可能性すらあると主張する。トレーダーのRekt Capital氏は、安値切り上げが消えない弱気相場構造(いわゆるベアマーケットの安値切り上げ形状)がいまだ崩れていないと指摘し、週足終値が約7万8,300ドルを下回れば5月型のブレイクダウンが視野に入ると警告する。
マクロの逆風が強まる
下落はBitcoinにとどまらない。直近12か月で約2,220%の上昇を記録した今年の主役級銘柄、Zcash(ZEC)は24時間で9.7%下落し、HyperliquidのHYPEも約4.3%下げて80ドルを割り込んだ。マクロ環境も硬化している。8月の生産者物価指数(PPI)は前月比0.4%、前年比5.4%と、予想と前回値の双方を上回った。エネルギーコストがインフレ圧力を押し上げており、米ディーゼル価格が初めて1ガロン6ドルを突破した(インフレリスクの詳細)。米10年債利回りは約4.9%まで上昇し、歴史的にリスク資産を圧迫してきた5%水準に接近しつつある。
ETF資金流出と中東リスク
ETF市場への機関投資家の資金流出も圧力に拍車を掛ける。米現物Bitcoinファンドは3営業日連続で純流出を記録した。9月8日に約4,660万ドル、翌日に約1億2,020万ドル、9月10日には2億8,300万ドルと、3日合計で約4億5,000万ドルに達する。最終日はARK 21SharesのARKBだけで約1億6,400万ドルが流出した。週間の流出額は木曜時点で4億4,940万ドルに達し、3週連続の流入記録が危うい。同時期にイランはホルムズ海峡付近の船舶10隻を攻撃したと発表し、フーシ派は紅海のモカ港を制圧。原油価格は5月以来の高水準へ跳ね上がり、地政学的リスクプレミアムが加わっている。資金流出の分析は当メディアのETFフロー解説も参照。
市場はCPI待ち
金曜日の欧州市場午前時点で、BTCは7万7,000ドル付近で推移し、24時間で1%超、週間では約5%の下落。7万7,300ドルへの一時持ち直し後も、先週の高値である約8万2,284ドルからは6%下の水準だ。暗号資産先物全体の未決済建玉は水曜日の624億ドルから595億ドルへ減少。24時間の清算額は2億5,630万ドルに上り、このうちBitcoinが6,030万ドルを占めた。ブレント原油は一時104ドルを割り込んだものの、月曜以来で約8%の上昇基調だ。焦点は米東部時間午前8時30分発表の8月消費者物価指数(CPI)。FRB(米連邦準備制度理事会)は9月15〜16日に会合を開くが、市場が織り込む利上げ確率は約69%に達している。 市場をリアルタイムで追いたい読者は、MEXCで現物・先物価格をライブで確認できる。
焦点は7万5,545ドルのサポート
当メディア独自の42指標合成S/Rスコアリングエンジンは、攻防の要所を明確に描き出している。現在の現物価格は7万6,847.79ドルで、24時間で1.53%下落。直上にはエンジン評価78/100の7万7,128ドルの抵抗線が横たわり、Fibo 0.214、ピボットポイント、MACDクロスの重なりが背景にある。下方では7万5,545.67ドルのサポートが82/100(Flip R→S、Donchian Lower、S1)、さらに7万3,703.84ドルの棚も82/100(HVN、Fibo 0.382、EMA 50)と強固だ。永久スワップの資金調達率は0.0027%と緩やかなプラスを維持し、未決済建玉は154億1,000万ドル、ロング/ショート比率は1.63。Fear & Greed指数は56(Greed)を示す。7万5,545ドルを維持できれば全体の上昇トレンドは無傷だが、失えば7万3,704ドルが目標となり、強気シナリオは失効する。
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