Bitcoin市場、Strategy20億ドル買い増し・米戦略準備金法整備進展でBTC供給圧縮加速
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Bitcoinニュース
2026年のビットコイン市場は、過去のサイクルとは構造的に異なる相場局面へ移行している。オンチェーン分析によれば、CryptoQuantが示すCoinbase Premium Indexは再びマイナス圏へ沈み込む場面が増えており、米国機関投資家の現物需要が完全には回復していない実態が浮き彫りになっている。一方、ETFや財務運用企業による制度化期待は根強く、中長期での強気観測と短期での現物需要不足が同時進行する珍しい構図が形成されている。市場参加者は、伝統金融からの資金フローと暗号資産固有のオンチェーン指標を併読する必要性に迫られている。

米トランプ政権のデジタル資産諮問委員会で事務局長を務めるパトリック・ウィット氏は、戦略的ビットコイン準備金(SBR)の設立に向けた法的ハードルをクリアしたと表明した。政府内での資産保管インフラ整備が完了し、近く正式発表が行われる見通しだという。現在、米政府は押収資産を中心に約32万8,372BTC、世界供給量のおよそ1.6%に相当する規模を保有している。2025年3月の大統領令によりこれら資産の売却は禁じられており、副事務局長ハリー・ジョン氏らが省庁横断の法整備を主導してきた経緯がある。発表の中心は既存資産の保全枠組みとなる公算が大きい。
連邦議会では政府によるビットコイン新規購入を認める法案の審議も並行して進んでいるが、実現の見通しは依然として不透明である。ニック・ベジック下院議員はBITCOIN法案を「米国準備金近代化法(ARMA)」として再提出し、財務省に対し年間最大20万BTCを5年間取得する権限を付与する内容を盛り込んだ。取得分は最低20年間の保有が義務付けられる設計だ。シンシア・ルミス上院議員も期限設定を求める動きを見せているが、政治的摩擦を背景に短期的な成立は困難視されている。市場では、買い圧力を伴わない予算中立型の運用が当面の現実路線になるとの見方が支配的だ。
マイケル・セイラー会長率いるStrategy(旧MicroStrategy)は、先週1BTCあたり平均8万985ドルで2万4,869BTC、約20億1,000万ドル相当を追加取得した。買い増し資金は、年率11.5%の配当を提供する優先株「STRC」の新株発行で調達した。STRCの配当権利落ち日前の5営業日にわたり発行が集中し、約20億ドル相当が市場に供給された格好だ。これにより同社の累計保有量は84万3,738BTCに達し、全体の平均取得価格は約7万5,700ドル、総取得コストは638億7,000万ドルへ膨らんだ。STRCの額面100ドル維持と追加購入余力の連動が今後の焦点となる。

同社はさらに、2029年満期の社債15億ドル相当を買い戻し、将来の希薄化リスクを抑制する財務戦略にも踏み込んでいる。フォン・リーCEOは「デジタルクレジット」の活用により2025年を上回るペースで成長を実現しているとX上で言及した。STRCの配当頻度を月次から半月ごとへ短縮する方針も示されており、資金調達の高速化を通じてBTC取得余力を厚くする狙いが透ける。一方で、現物市場のセンチメントは脆弱で、Strategyの巨額買いをもってしても価格は7万7,000ドル前後まで押し下げられた。先物主導のレバレッジ清算が下押し圧力として作用している構図が依然続いている。
オンチェーン指標は供給圧縮を示唆している。Exchange Reserveは2026年を通じて減少を続け、現在は約268万BTC近辺まで低下した。取引所から引き出されたBTCは長期保有やETFカストディへ移行しており、即時売却可能な流通量は着実に細っている。一方、Open Interestは4月以降に再急増し260億ドル台まで回復、Funding Ratesは不安定な振幅を繰り返している。さらにExchange Stablecoins Ratioの低下は、現物購買力の相対的減退を示唆しており、現在の上昇はETF経由の制度資金よりもデリバティブ主導である可能性を裏付ける。
マクロ環境も無視できない要因として浮上している。米10年債利回りは4.60%まで上昇し過去16カ月の最高水準を記録、2026年に約2兆ドル規模の長期債が満期を迎える構造的負担が意識されている。ドナルド・トランプ大統領がイランへの軍事行動を湾岸諸国の要請で延期したことで、リスク資産が一時的に買い戻され、BTCは7万7,000ドル付近を回復する場面もあった。Citiは量子コンピューティングのQ-Day到来時期を2030〜2032年と試算し、ガバナンスの柔軟性に乏しいBTCの構造的リスクを指摘している。短期の値動きと中長期の技術的脅威が同居する複雑な局面である。

テクニカル面では、7万6,000ドル帯の防衛が直近の最重要サポートとして機能している。ここを明確に割り込めば7万2,000ドルへの調整が視野に入る一方、8万2,000ドルの上値抵抗を突破すれば8万5,000ドル台までの戻りが期待される展開だ。Funding Ratesが過熱を示さずOpen Interestが緩やかに伸びる場合、現物需要回復を伴った健全な上昇シナリオが成立する。逆に取引所Stablecoins Ratioの一段の低下や、Strategyに続く財務戦略型企業の調達ペース鈍化が確認されれば、強気シナリオは無効化される。供給圧縮の中長期トレンドと先物主導の短期ボラティリティの綱引きが、当面の値動きを規定する。
