中国がMbridge型CBDC網を商用化へ、日本はJPYSCに照準──6億7,000万ドル超のトークンアンロックも週内に
暗号資産ニュース
中国が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の決済基盤であるMbridgeを本格的な商用展開へと動かしている。これは、長年SWIFTが支配してきた国際送金の構図を塗り替えかねない一手だ。同ネットワークは参加各国のCBDCをブロックチェーン上で直接決済する仕組みで、北京はSWIFTの半分未満とされる手数料を売りに普及を図る方針とされる。狙いは、ドルとSWIFTに依存しない送金手段を求める新興国であり、同時に人民元の国際的な利用拡大も後押しする。展開の主導役は香港に置かれる専門組織が担うとみられ、Mbridgeは中国の通貨戦略における中核的な装置として位置づけられつつある。
Mbridgeは2021年、国際決済銀行(BIS)の下で発足した。中国、香港、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)の中央銀行が創設メンバーで、2024年にはサウジアラビアが加わった。試験運用の段階で累計決済額はおよそ4,700億元、日本円換算で約11.1兆円に達している。UAE中央銀行は早期の節目として、5,000万デジタルディルハム(約1,360万ドル)を中国へ送金し、同基盤で初の実取引による国際決済を成立させた。2024年10月にはBISが運用権限を参加各国へ移管し、最小限の実用版の段階を越えた同プロジェクトは、中国を中心とする体制へと舵を切った。
ドルを介さない決済レールが現実味を帯びるなか、ワシントンでは警戒が強まっている。シンシア・ルミス上院議員は「中国は待ってくれない」と述べ、米国のデジタル資産規制を明確化する市場構造法案、いわゆるCLARITY法の早期成立を強く求めた。議員らは規制の遅れを戦略上の弱点と捉え、国際的なデジタル送金で後れを取れば、ドルの基軸通貨としての地位を損ないかねないと論じる。中国は2015年から稼働する人民元決済システムCIPSの上にMbridgeを重ね、既存の決済基盤をトークン化された形へと拡張している。参加する中央銀行が増えるほど、ドルとSWIFTを迂回する送金経路は増殖し、国際通貨の主導権をめぐる競争は一段と激しくなる見通しだ。
日本国内では、マルチキャッシュレス基盤「StarPay」を運営する決済事業者NETSTARSが6月15日、Startale Groupとの間で、円連動型ステーブルコインJPYSCを含むWeb3決済の共同検討に関する基本合意書(MOU)を締結したと発表した。今回の合意は、QRコード決済などの従来型Web2レールをDeFiやオンチェーン金融へとつなぐ入り口として4月に公表された「StarPay-X」構想の枠内に位置づけられる。両社はともに、決済時に使えるデジタル通貨を広げる「マルチコイン」志向を強調した。JPYSCは日本法に基づく信託型の電子的支払手段として開発が進められ、Startaleが国内の信託銀行などのパートナーと共同で構築している。なおMOUの段階では、具体的な製品化までは約束されていない。
2023年設立のStartaleは、ソニーとの合弁会社Sony Block Solutions Labsを通じて開発したイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン「Soneium」で知られる。さらにSBIホールディングスと組み、トークン化証券や実世界資産(RWA)向けのレイヤー1チェーン「Strium」の開発にも取り組んでいる。NETSTARSも実地でのステーブルコイン決済を着実に検証してきた。1月下旬からは羽田空港第3ターミナル内の店舗でUSDC決済の実証実験を実施し、4月には姫路市のトレーディングカード店で2回目の試験運用を開始した。今回の提携は、規制対応済みのステーブルコインを日常的な小売へ組み込む日本企業の動きを象徴しており、既存の加盟店ネットワークとオンチェーン決済を結びつけ、消費者の支払い選択肢を広げるものだ。
市場全体に目を向けると、6月第3週には6億7,070万ドルを超えるトークンのアンロックが予定されており、価格変動を招く供給イベントとしてトレーダーが注視している。最大の割合を占めるのはSpark(SPK)で、6月17日に9億トークンがアンロックされる。これは約1,780万ドル相当、放出済み供給量の27.08%に当たり、今回の中で比率が最も高い。LayerZero(ZRO)は6月20日に2,571万トークン、約2,316万ドル分を解放し、Kaito(KAITO)も同日に1,760万トークンを放出する。こうしたアンロックは各プロジェクトの循環供給量を増やし、チームやエコシステム向けに集中する放出は、需要が新規の流通分を吸収しきれない場合にアルトコイン価格を下押ししやすい。
これらの動きを束ねると、一本の筋道が見えてくる。デジタルマネーは実験段階からインフラへと移行しつつあり、国家主導のCBDCレールから企業のステーブルコイン、そしてプログラム可能なトークン供給へと広がっている。一方で、COINOTAGが集計する市場データは、心理面が構造的な進展に遅れていることを映す。当社の恐怖・強欲指数は100点中20と、極度の恐怖の領域に深く沈み、ビットコインのドミナンスは70.3%、暗号資産全体の時価総額は約1兆8,700億ドル付近にとどまる。これはビットコインに集中した守りの姿勢を示している。本稿で引用したBISの試験運用記録やオンチェーンのアンロック計画は、憶測ではなく検証可能な一次データだ。決済網とステーブルコインが成熟するにつれ、資金は今の恐怖が織り込む価格よりも、いま敷かれつつあるレールに沿って巡る可能性がある。
AIによって生成され、AIによるレビューを経て、COINOTAGの編集監督のもとで公開されました。