Securitize SPAC上場でNYSE「SECZ」始動、Robinhoodが288億円でWonderFi買収完了、CLARITY法成立確率60%へ低下

(02:42 UTC)
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現実資産(RWA)のトークン化を手掛けるSecuritizeは6月5日、SPACであるCantor Equity Partners IIとの事業統合に関する登録届出書の有効性を米証券取引委員会(SEC)が宣言したと明らかにした。6月29日に予定されるCEPT臨時株主総会で承認されれば、統合後の企業は社名をSecuritize Corp.に改め、NYSEにティッカー「SECZ」で上場する見通しだ。同社はBlackRock、Apollo、KKR、VanEckなどと提携し、BlackRockのトークン化MMF「BUIDL」基盤を担うなど、ブロックチェーンを活用したRWA市場の中核インフラ企業として上場の最終段階に進んだ格好となる。

米下院共和党が暗号資産業界の最重要法案と位置付けるCLARITY法をめぐり、年内成立の確率予測が従来の75%から60%へ下方修正された。Galaxy Digitalのリサーチ責任者アレックス・ソーン氏は、支持の崩壊ではなく上院審議日程の窮屈化が主因と説明している。同法はSECとCFTCの管轄区分を明確化し、発行体・取引所・投資家のルールを整える内容で、5月14日に上院銀行委員会を15対9で通過した。本会議で60票を確保し、下院案との調整を経て夏季休会前に成立させるには7月中の審議時間確保が不可欠とされ、ステーブルコイン利回りを巡る銀行界との対立も影を落としている。

米金融サービス大手Robinhood Marketsは6月1日、カナダの暗号資産プラットフォーム運営企業WonderFiの買収完了を発表した。買収額は約2億5,000万カナダドル(約288億円)で、1株あたり0.36カナダドルの現金対価により発行済み普通株式を間接取得した形だ。WonderFi株は6月2日にトロント証券取引所から上場廃止される。傘下のBitbuyとCoinsquareは今後Robinhoodブランドに統合され、約30万人の顧客が加わることで同社の米国外入金済み顧客数は100万人を突破。カナダドル建て取引は0.5%の一律手数料で提供され、北米市場におけるDEXを含む取引インフラ競争が一段と激化する局面に入る。

Krakenは6月6日、親会社Paywardが運営するトークン化株式プラットフォーム「xStocks」を通じて、SpaceXのIPOへのアクセスを提供すると発表した。SpaceXは6月12日に株式公開を予定し、ブルームバーグによれば評価額1兆8,000億ドル超、調達額約750億ドルを目指す史上最大規模のIPOとなる見通しだ。割り当てを受けた投資家には原資産株式と1対1で裏付けられたトークン「SPCXx」が発行され、24時間取引が可能になる。EEAおよび110以上の市場で利用可能だが、米国・カナダ・英国・豪州は規制上の制限から除外される。トークン化株式が伝統的金融とオンチェーン市場を架橋する新たな実例として注目を集めている。

米下院共和党は6月5日、9日開催の歳入委員会公聴会に向け、暗号資産課税に関する7本の法案草案を関係者に配布した。議会指導部が税制特化の暗号資産法案を前進させるのは上下両院を通じて初の動きとなる。「マイニング・ステーキング税制明確化法案」はステーキングやマイニングで得たトークンを保有者の課税所得から除外する内容で、「事務負担軽減法案」はガス代について10ドル以下の取引を年5,000件まで非課税扱いとする。過去の申告漏れを自主申告した納税者に2年間の恩赦を与える条項も含まれる。一方、ビットコインやステーブルコインを使った日常的な購入への広範な免除措置には踏み込んでおらず、業界が長年掲げてきた目標との隔たりは残った。

SpaceXのIPOは暗号資産業界にも波及効果をもたらし、xStocksを通じた参加経路だけでなく、従業員株式の大規模な現金化が市場流動性に影響を与える可能性が指摘されている。同社はナスダックにティッカー「SPCX」で555.6百万株を1株135ドルで売り出し、評価額は約1兆7,700億ドルに達する見通しだ。2015年に1万ドル相当のストックオプションを付与された溶接工が、現在約88万ドル相当の株式を保有するに至った事例も報じられており、数千人規模の従業員が即時富裕層化する。アナリストはIPO直後のロックアップ解除局面における株価変動リスクと、調達資金の一部が新興技術投資へ向かう可能性に注目している。

今週の流れを俯瞰すると、規制の明確化と既存金融との接続という二つの軸が、サイクルの支配的ナラティブとして鮮明に浮かび上がる。SecuritizeのNYSE上場、Robinhoodの北米拡張、KrakenによるxStocks経由のSpaceX IPO提供は、いずれもDeFiと伝統金融の境界を溶かす制度的インフラ整備の動きだ。一方でCLARITY法の停滞と税制草案の限定的な踏み込みは、ワシントンの立法プロセスが市場の期待に追いついていない現実を映している。機関投資家の本格参入は規制不確実性の終結にかかっており、向こう数カ月の議会日程が次サイクルの資本配分を大きく左右する局面に入った。

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Yuki Tanaka

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