決済大手3社が新ステーブルコイン基盤を準備、英FCAはクラブに警告──業界規制と統合が同時加速

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暗号資産ニュース

米決済大手のビザ、マスターカード、ストライプの3社が、共同で新たなステーブルコイン基盤の立ち上げを近く発表する見通しだ。関係者の話として6月3日に報じられた内容によると、同枠組みには米暗号資産取引所コインベースも参加を検討している。プラットフォームの詳細や採用されるブロックチェーン、対応ステーブルコインは公表されていない。実現すれば、カードネットワーク、企業向け決済基盤、暗号資産取引所をまたぐ共通インフラとなる可能性がある。各社は近年、独自にステーブルコイン関連の取り組みを進めてきており、今回の連携はその延長線上に位置づけられる動きとなる。

英金融行為規制機構(FCA)は6月3日、プレミアリーグを含むサッカークラブに対し、無認可の暗号資産関連企業や取引プラットフォームとのスポンサー契約について警告を発した。FCAは、無認可企業が英国内で営業を認められていないにもかかわらず、知名度の高いスポンサー契約を通じてファンを標的にしている場合、英国の金融プロモーション規則違反にあたる可能性があると指摘した。同当局の消費者投資担当ディレクターであるルーシー・キャッスルディン氏は、クラブのエンブレムへの信頼を悪用させてはならないと強調。FCAは懸念を確認したクラブに既に書簡を送付し、必要に応じて措置を講じる方針を示した。

ストライプは2024年、ステーブルコインインフラ企業ブリッジの買収を発表し、2025年2月に約11億ドル(約1,759億円)規模で完了させた。同社は企業向けステーブルコイン基盤「オープン・イシューアンス」を展開しているほか、ステーブルコイン連動型カードの提供も進めている。ビザは清算パイロットを拡張し、今年4月にはベース、ポリゴン、カントンネットワーク、アーク、テンポの5ネットワークを追加。対応チェーン数は計9となった。リアルタイム送金網「ビザダイレクト」へのステーブルコイン機能導入も並行して進めている。DEX領域にとどまらず、伝統的決済の中枢にステーブルコインが組み込まれる構造変化が鮮明になっている。

マスターカードは今年3月、オンチェーン金融とステーブルコイン決済の実用化を目的とした協業枠組み「クリプト・パートナー・プログラム」を開始した。同社によれば、プログラムには暗号資産企業、決済事業者、金融機関など100社超が参加しているという。昨年4月にはステーブルコインによる支払いから加盟店清算までを一貫して扱う仕組みのグローバル展開も発表済みだ。コインベースは米ドル建てアルトコイン領域の主要発行体サークルと収益分配契約を結び、USDC流通拡大に深く関わるほか、企業向け決済「コインベース・ビジネス」やホワイトラベル発行サービスも展開している。

欧州連合(EU)の暗号資産市場規制「MiCA」の移行期間は7月1日に終了する。期限後、加盟国レベルの旧制度下で営業してきた暗号資産サービスプロバイダー(CASP)は、MiCAライセンスを取得するかEU顧客への提供を停止するかの二者択一を迫られる。フランスではこれまでに19社が認可を受け、約25件が審査中。ドイツでは6月30日までの認可取得が要件とされている。一方オーストリアは旧制度の経過措置を延長せず、2025年末で打ち切った。違反企業には罰金や刑事罰、ウェブサイト遮断措置などが講じられる可能性があり、利用者にも影響が及ぶ見通しだ。

大手取引所バイナンスは、米株式およびETF事業を支えるブローカレッジ基盤プロバイダー、アルパカとの収益分配契約を開示した。新たな証券取引利用規約によると、バイナンスはアルパカの注文フロー支払い(PFOF)手数料の50%、および利用者への利息支払い後の株式貸出益の65%を受領する。アルパカはトークン化米国株とETFの保管領域で中核的役割を担い、保管資産は4億8,000万ドル規模。バイナンスは7,000銘柄超の米国上場株とETFへのアクセスを開始し、後続でトークン化株式「bStocks」も予告している。暗号資産取引所の伝統金融領域への拡張が、新たな収益モデルを伴って進行している。

今サイクルの支配的な物語は明確だ。決済大手の合弁構想、英FCAの広告規制、MiCAの本格運用、そして取引所の伝統金融進出はいずれも、暗号資産が周縁から金融インフラの中核へ移行する過程を示している。ビットコイン価格中心の強気相場物語に代わり、規制適合と機関統合が市場の方向性を決める段階に入った。ステーブルコインは決済層に、トークン化株式は仲介層に、ライセンス制度は事業基盤に組み込まれつつある。今後の数か月は、認可取得の可否と既存プレイヤーの戦略再編が、業界地図を塗り替える主要な変数となる。

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Akiko Watanabe

COINOTAG yazarı

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