NVIDIA出資のFirmus Grid、300億ドル評価に投資家が難色を示し50億ドル規模のIPOを取り下げ
NVIDIA出資のFirmus Gridが50億ドル規模のIPOを取り下げた。300億ドルの評価額に対し米機関投資家が難色を示し、主幹事は規模縮小と評価額引き下げを試みたが成立せず、民間調達など次の手段を検討する。
AI要約AI
- Firmus Gridが10月9日にIPOを取り下げ、想定調達額は約50億ドルだった
- 同社の2026年会計年度売上高は5,100万ドル、完工済み設備は912メガワット中46メガワット
- Firmus出資のMas Group Holdings株価はシドニー市場で一時30%下落した
- OpenAIの年換算売上高は9月末時点で500億ドル付近、2026年末までに700億ドル超を見込む
300億ドルの評価額、米機関投資家が拒否
NVIDIAが支援する豪州のAIデータセンター開発企業Firmus Gridは、10月9日(金)に新規株式公開(IPO)を取り下げた。ニューヨーク上場では約50億ドルの調達を想定し、目標評価額を300億ドル付近としていた。この案件は米機関投資家からの需要を十分に集められなかった。2026年会計年度の売上高が5,100万ドルにとどまり、建設計画912メガワットのうち完工済みは46メガワットにすぎない企業として、投資家は提示価格を過大と判断したためだ。オファリングは豪州企業史上でも最大級になると見込まれていた。同社は今年4月、NVIDIAとCoatueを引き込んだ資金調達ラウンドで55億ドルの評価を得た。その後、約20億ドルを追加調達して評価額を105億ドル超に引き上げ、さらに数か月のうちに300億ドル超を求めるところまで跳ね上げた。評価の枠組みは米AIクラウド事業者CoreWeaveが用いるものと類似していたが、基礎に置いたのは2年先の予想営業利益である。評価額約250億ドルであれば受け入れる姿勢を示した機関投資家もあったが、最終提示価格に応じた企業は一社もなかった。Bank of America、JPMorgan、Morgan Stanleyといった主幹事は募集規模を約30億ドルに引き下げ、評価額のレンジとして200億ドルから250億ドルを探ったが、まとまらなかった。既存株主に対するロックアップがない点も投資家が反対した理由である。株式が取引を開始すれば大規模な売り圧力に晒されるためだ。さらに、東南アジアの計算能力供給を巡るMetaとの供給契約が、予測を上方修正しつつ需要喚起を始めた直前に発表されたタイミングも疑問視された。Gavekal CapitalのポートフォリオマネージャーLeonid Mironov氏は、取引の構造、規模、価格設定、評価手法をいずれも批判した。撤回の波紋は直ちに関連銘柄に及んだ。Firmusに出資しているMas Group Holdingsの株価は、シドニー市場の取引時間中に一時30%下落した。Firmusはメルボルンとシンガポールで2つの賃貸データセンターを運営し、アジア太平洋地域でさらに5カ所を建設する計画だった。現在は既存投資家などから小規模な民間資金調達を行うか、別の国際的な上場先を模索する段階にある。株主宛て書簡では市場の変動と、長期的な成長見通しを公正に反映しない状況を挙げ、パートナーのCDCは共同で進めていた1.6ギガワット規模のAIデータセンター計画が今後進まないことを確認した。
Lumentumの受注残、2029年まで埋まる
米LumentumはAIデータセンター向け光部品の製造能力について、2029年初頭までの売り切れ状態にあると最高経営責任者(CEO)のMichael Hurlston氏が明かした。同社はAIクラスタ内のチップ間およびラック間でデータを運ぶ高速光デバイスを手掛けており、需要は数年先にわたり工場の供給能力を上回る。製品によって状況は異なるが、2027年までは受注全体の約70%を納品できず、別の製品では2028年までに需要の約30%が対応不能のまま残る見込みだ。生産能力を引き上げるため、同社は東京都心圏の主要工場と隣接施設に少なくとも3億5,000万ドルを投資する計画で、英国拠点の能力拡張はすでに実施済みである。Hurlston氏は、新たな製造能力の立ち上げには通常3年から5年を要すると注意を促す。複数の大手クラウド事業者は拡張投資に伴う資本支出リスクを吸収することで合意しており、この仕組みは将来の供給を顧客側に確保させながら、工場建設をLumentum自身の資金計画から切り離す。受注は見込みではなく確定済みのため、収益の見通しは10年代の後半まで延びた。もっとも建設サイクルの長さが、未充足需要をどれだけ速く売上に転換できるかを制約する側面も残る。光トランシーバーは業界全体でGPUの導入ペースに供給が追いつかない部品の代表格であり、不足率の数字は現場のボトルネックに具体的な輪郭を与えるものだ。
受注済みの売上は評価され、予想売上はされない
この日の2つのニュースは、AI分野の資本市場が現時点で賄える範囲の境界線を示した。Lumentumは追加調達を必要としない。供給能力は何年も先まで契約済みで、クラウド顧客が工場建設を前倒しで資金面から支えているためだ。一方のFirmusは売上高5,100万ドルを背景に300億ドルの評価を求め、引き下げ後の200億ドルから250億ドルのレンジすら通らなかった。上場企業に波及したリスクの実態は、Mas Group Holdingsの30%下落が示している。同じ週には、OpenAIが投資家向けに9月末時点の年換算売上高が500億ドル付近に達し、2026年末までに少なくとも700億ドルに達する見通しを伝えた。成長率はおよそ40%で、下支えとなるのは法人事業の拡大である。いま民間資本に裏付けを求められているのは、この予想数字であって、受注残ではない。
AIによって生成され、AIによるレビューを経て、COINOTAGの編集監督のもとで公開されました。

