米大手銀がトークン化預金の共同網を計画、メタプラネット優先株配当は8.7億円に増額、CLARITY法成立確率は60%へ低下
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JPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴら米大手銀行が、トークン化預金を相互に移転できる共同ネットワークの構築を計画していることが明らかになった。運営は4行が共同所有する決済会社クリアリング・ハウスが担い、24時間365日の即時決済を可能にする見込みで、立ち上げは2027年前半を目標とする。初期利用者には多国籍企業を想定し、企業財務の自動化やクロスボーダー決済への活用が見込まれている。背景にはステーブルコインの普及で銀行預金が流出する懸念があり、ブロックチェーンを基盤とするオンチェーン決済への業界の本格対応が鮮明になっている。
メタプラネットは6月8日、B種優先株式について2026年6月30日、9月30日、12月31日を基準日とする配当の実施を発表した。1株当たりの配当金は各回12円25銭で、3回分の総額は8億6766万円超に達する。これは前期実績(1株40銭)の約30.6倍に当たり、3回合計では前期比約91.9倍という大幅な拡大となる。同社は保有ビットコインの評価損益を踏まえ、その他資本剰余金を配当原資に充てる方針だ。一方で株価は軟調で、6月8日終値237円は1月15日の年初来高値639円の半値を大きく下回る水準にある。
市場の地合いが悪化するなか、5月は耐量子性を備えた銘柄が際立った上昇を見せた。調査データによれば、耐量子トークンの指数は同月にビットコインを59.3%上回り、上昇の中心はZcashだった。Zcashは中旬に690ドルを突破し、時価総額でカルダノを上回って一時9位に浮上した。指数構成の約88%をZcashが占め、残りをAlgorandとStarknetが担う。開発側は量子復元が可能なウォレットの提供を近く開始すると表明しており、量子コンピューティングの脅威を見据えた物色が、軟調なアルトコイン市場で異例の資金循環を生んだ格好だ。
米国の暗号資産市場構造法案「CLARITY法」について、調査部門は年内に上院を通過する確率の見立てを75%から60%へ引き下げた。7月下旬から始まる約1カ月の夏季休会前に上院を通過しなければ、中間選挙を控えた議員の選挙活動により審議の窓が事実上閉じるとの見方が背景にある。法案は本会議での討論回避に60票を要し、上院農業・銀行両委員会版の調整や下院での再可決といった手続きが残る。倫理・不正金融関連の条項が依然として争点で、別の大手金融機関も成立確率を50%未満とみるなど、慎重な見方が広がっている。
トランプ大統領が支援するワールド・リバティ・フィナンシャル(WLFI)を巡る対立が、取引所利用者の資産に波及した。取引所HTXは6月7日以降、WLFIが発行するステーブルコインUSD1を上場廃止し、対象となる個人顧客の残高をテザー(USDT)へ1対1で換金する措置に踏み切った。HTXは、WLFIが同所管理下のアドレスを凍結したことへの対抗だと説明し、凍結対象は通常の顧客資金だと主張する。発端は5月下旬に英当局が下した制裁措置で、WLFIはこれに準拠して凍結を実施したとみられ、オフショア取引所と米系発行体のDeFi領域での摩擦が浮き彫りになった。
市場全体では、5月にマクロ要因が重しとなった。暗号資産の総時価総額は3.3%減の2兆5500億ドルとなり、ビットコインは約4.8%下落した。ホルムズ海峡の供給不安が一過性のショックから構造的なインフレ問題へと変質し、実質金利の上昇を通じてデジタル資産に下押し圧力を加えたとの分析がある。タカ派的な金融政策の示唆と根強いインフレを受け、現物ビットコインETFからは5月に24億ドル超の資金が流出した。ビットコインは200日移動平均線を試した後に維持できず、一時的な弱気相場的な値動きが続いた。
今回の一連のニュースは、規制と制度設計を軸とした「主流金融への接続」という単一の物語に収れんする。大手銀行のトークン化預金網はステーブルコイン経済への防衛と取り込みを同時に進める動きであり、CLARITY法の停滞は制度的不確実性の継続を示す。USD1を巡る凍結対立は、制裁順守がプロトコル層にまで及ぶ現実を突きつけた。一方でメタプラネットの配当拡大や耐量子銘柄への資金循環は、マクロ逆風下でも個別テーマが資本を引き寄せることを物語る。規制整備の遅速と機関投資家の選別が、今サイクルの相場の方向感を左右する局面が続く。
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