ビットコイン7.2万ドル台へ急落、清算9億ドル、長期保有1,580万BTC到達で新規需要枯渇
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Bitcoinニュース
欧米の長期国債利回りが20年ぶりの高水準に達するなか、ビットコイン(BTC)の構造的役割が改めて問われている。英国10年債利回りが約20年ぶり、日本の長期国債が30年ぶり、フランス国債も2009年以来の水準まで戻した一方、フランス民間部門の対GDP債務比率は当時の171%から215%へ拡大。欧州大手デジタル資産運用会社のCEOは、政府が増え続ける債務を国内銀行に肩代わりさせる「資本ナショナリズム」を債券市場が織り込み始めたと指摘した。株と債券で守る伝統的資産配分の前提が崩れつつあるなか、政治的恣意で発行量を変えられない通貨ネットワークとしてのBTCの位置付けが注目を集めている。

大手暗号資産取引所クラーケンは5月27日、最大2.5%のBTC建てAPYを提示する新商品「ビットコインボールト」のローンチを発表した。同商品はクラーケンの報酬獲得サービス「Kraken Earn」内に組み込まれ、預け入れられたBTCはラップド資産「kBTC」に変換されたうえで、イーサリアム・レイヤー2「Ink」上のヴェーダ製ボールトに格納される。資産はアーベ、モルフォ、タイドロといったDeFi(分散型金融)プロトコルへ担保供給され、借入ステーブルコインで運用された収益がkBTCで再投資される設計となっている。なお英国、UAE、豪州は提供対象外で、利回りは保証されず元本毀損リスクも明示されている。
資産運用大手フィデリティ傘下のデジタル資産部門は28日、2026年の主要トレンドをまとめた報告書を公開した。世界の中央銀行による金準備保有額が米ドル資産を上回り、ドル基軸体制からの移行シナリオが各国準備資産構成に表れ始めていると分析。一方、ホルムズ海峡通行料を巡るイランの実例では、支払い手段として人民元、ドル連動型ステーブルコイン、BTCが選択肢に含まれたものの、実際の決済の大半はUSDTが占め、BTC利用を裏付けるオンチェーン証拠は限定的だと指摘した。金需要の拡大は先行する一方、BTCへの制度的資金移動には時間を要するとの段階的シナリオが維持されている。
フランスのIoT半導体企業シークアンス・コミュニケーションズは28日、暗号資産財務戦略を継続しない方針を公表した。同社は現時点で約658BTC(約77億円相当)を保有しており、今後段階的に売却する計画。2025年7月発行の転換社債償還財源にはすでに保有BTCの一部売却益が充当されており、残存658BTCには担保拘束がないと説明された。同社は2025年6月にBTCを「最高級資産」と位置付けて財務戦略を開始したが、約1年で撤退する形となる。2026年1〜3月には625BTCを売却済みであることもすでに開示されており、暗号資産相場低迷を受けた企業保有銘柄の売却事例が広がりつつある。

5月28日から29日にかけてBTCは一時40万円超の急落となり、7万2,000ドル台まで値を切り下げた。米国とイランの軍事的緊張再燃に加え、米現物ETF(上場投資信託)からの資金流出、ブラックロック関連の大口売却報道が重なり、大規模なロングポジション清算が連鎖した。24時間の清算総額は9億3,000万ドル規模に達し、BTC単独で約3億4,800万ドルを占めた。今回の下落でデリバティブ市場では7万5,000ドル近辺から現値周辺にかけて板の薄い「真空地帯」が形成されており、新たな材料発生時にボラティリティが急激に高まりやすい構造となっている。プット・コール・レシオは低下しており、押し目買い意欲は完全には消えていない。
オンチェーン分析企業クリプトクアントは28日、長期保有者(LTH)の総供給量が過去最高の1,580万BTCに達したと報告した。ただしこれは強気シグナルではなく、新規買い手不足を覆い隠す弱気な兆候だと分析されている。1,000〜10,000BTCを保有する「クジラ」の前年比残高は今年最速ペースで縮小し、2022年の弱気相場類似の状況。100〜1,000BTCを保有する「イルカ」層の年間成長率は2025年10月の+97万BTCピーク後、急減速している。短期保有者(STH)供給量は2025年12月の640万BTCから420万BTCへと210万BTC超減少しており、構造的需要エンジンが持続的減速局面にあることが確認されている。
テクニカル面では、現在価格7万3,678ドルはサポート7万2,637ドルの直上で、RSI36.61と過売り圏接近、MACDはベアリッシュシグナル維持の下降トレンドが続いている。上値は7万4,650ドル、7万6,615ドル、7万8,064ドルの抵抗が連なり、戻りは限定的。雲下限7万2,000ドルを明確に割り込めば三役逆転で次の支持帯7万0,280ドル、その下6万6,862ドルへの調整余地が広がる。強気シナリオは7万4,650ドル奪回とETF資金流入回復が条件。クジラ蓄積再開とSTH供給拡大が見られない限り、リバウンドは戻り売りに晒されやすい局面が続く。
