CLARITY法案8月期限の現実味、UAEファンドIBIT保有1,050億円拡大、THORChain17億円流出

(09:07 UTC)
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暗号資産ニュース

米上院で審議が続く暗号資産市場構造法案「CLARITY Act(クラリティ法案)」について、可決は8月までずれ込む可能性があり、中間選挙前にその期間内で成立できなければ法案自体が頓挫するリスクが浮上している。金融サービス会社NYDIGの調査責任者Greg Cipolaro氏は5月15日付の週次レポートで、ホワイトハウスが目標とする7月4日成立は「固定された立法期限というより理想的な目標値」と指摘し、現実的な可決ウィンドウを6月から8月初旬と分析した。議会は7月下旬から休会に入り、9月以降は選挙運動期間に突入するため、このタイミングを逃せば成立は極めて困難となる見通しだ。ビットコイン(BTC)を法的に商品と位置づける同法案の行方は、機関投資家の参入条件を左右する重要要素である。

CLARITY法案8月期限

その前段階となる5月14日、米上院銀行委員会はCLARITY法案を15対9の超党派で可決した。共和党全13名に加え、民主党のRuben Gallego議員とAngela Alsobrooks議員2名が賛成に回り、本会議審議への弾みとなっている。同委員会版では「ネットワーク・トークン」「付随資産」の新概念が導入され、ブロックチェーン上のプロトコルのために発行されるトークンは反証可能な推定として付随資産に分類される仕組みが盛り込まれた。さらにTitle IIIでDeFi(分散型金融)に関する規制枠組みが新設され、非分散型プロトコル運営主体の登録規則明確化が義務づけられた。SECとCFTCの管轄分担を法定化する点で、米国初の包括的な市場構造法案となる。

南米では暗号資産が投資対象から日常決済手段へと移行する動きが鮮明になっている。決済プラットフォームOobitは5月17日、コロンビアでサービスを開始し、利用者がウォレット保有資産を直接Visa加盟店で支払えるようにした。同社は2024年11月にブラジルでサービスを開始して以降、決済利用が202%増加し、アクティブユーザーは1人当たり月平均400ドル、月20件の取引を行っているという。ラテンアメリカの暗号資産市場規模は440億ドルに達し、決済の35%は食料品店、8.8%がレストランと、日常消費分野での実需が中心だ。決済通貨ではテザー(USDT)が最大シェアを占め、ステーブルコインが法定通貨化する潮流が現地で進行している。

米下院農業委員会のGlenn Thompson委員長と民主党筆頭委員Angie Craig議員は5月15日、Donald Trump大統領に対し米商品先物取引委員会(CFTC)委員を共和・民主から2名ずつ計4名追加指名するよう書簡で要請した。現在CFTCはMike Selig委員長1名のみで運営されており極めて異例の状況にある。両議員は、CLARITY法案が成立すればCFTCの権限が大幅に拡大し暗号資産現物取引の連邦監督下入りに伴う大規模なルール策定プロセスが必要になると指摘し、定員5名体制こそが国民・市場・CFTC自体にとって最も望ましいとの見解を示した。法案成立を見据えた執行体制の事前整備が急務となっている。

機関投資家ETF動向

機関投資家の2026年第1四半期保有報告では、暗号資産ETFへの姿勢が分かれた。UAEアブダビの政府系ファンド・ムバダラ投資公社はブラックロックの現物ビットコインETF「IBIT」保有を約1,270万株から1,472万株に拡大し、保有価値は約6億6,000万ドル(約1,050億円)に達した。一方、ハーバード大学は前年末535万株から43%削減し約300万株(約213億円)にとどめ、現物イーサリアムETFのポジションは全て売却した。ダートマス大学はビットワイズのソラナ・ステーキングETF約30万株を新規取得し、グレースケールのイーサリアム保有もステーキング型へ移行している。地政学的資本と学術基金の方向感の違いが鮮明だ。

クロスチェーン流動性プロトコルTHORChainは5月15日、ボールト侵害を受けて取引を一時停止した。複数ノードで秘密鍵管理を分散する署名システム「GG20 TSS(Threshold Signature Scheme)」実装の脆弱性が有力仮説として挙げられ、被害額は約1,070万ドル(約17億円)規模と見積もられている。同プロトコルが運用する6つの「アスガルド・ボールト」のうち1つが侵害され、ビットコイン、イーサリアム、BNBスマートチェーン、ベース上の資産にまたがる流出が指摘された。チームは、数日前に参加した新規ノードと盗難資金受領アドレスとの関連を確認したと説明している。プロトコル保有資金が対象であり、ユーザー資産は無事との初期報告だが、TSS実装を採用する他DEX(分散型取引所)系プロトコルへの波及懸念も高まっている。

これら6つの事象を貫く軸は、暗号資産が「制度・実需・リスク」の三方向で同時に成熟段階に入っているという現実だ。米国では市場構造法案が現実的な立法ウィンドウを迎え、CFTCの執行体制整備が並行して進む。中東のソブリンファンドと南米の決済現場では、それぞれ機関投資と日常実需の両極でブロックチェーンの取り込みが加速している。一方でTHORChainのコンセンサスメカニズムに関わる脆弱性は、規模拡大の裏で残存するスマートコントラクト固有のリスクを改めて浮き彫りにした。規制明確化、機関採用、実需浸透、技術リスクが同時並行で進む局面に市場は入っている。

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Takeshi Yamamoto

COINOTAG yazarı

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