米CLARITY法8月成立へ、BIS国際決済実証成功、サムスン3社がドゥナム株4%取得
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暗号資産ニュース
米国議会で審議が進む暗号資産市場構造法案(CLARITY法)が、世界の規制設計に波及する可能性が浮上している。同法はSEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の管轄分担を明確化する内容で、8月初旬にトランプ大統領が署名する見通しだ。米国が世界最大のビットコイン市場である以上、どのトークンを「商品」として分類するかという米国基準は他国の制度設計を事実上拘束する。リップル社のチーフリーガルオフィサーは、CLARITY法成立がXRPと同社発行ステーブルコインRLUSDに追い風になると説明。日本の投資家にとっても、トークン化資産の取引フローが米国系プラットフォームに集中する展開を視野に入れる必要がある。

国内では、ディーカレットDCPが事務局を務めるデジタル通貨フォーラムが、トークン化預金「DCJPY」を用いた企業間決済の実証実験成功を5月29日に公表した。ツルハホールディングス、イオンスマートテクノロジー、池田泉州銀行、花王グループカスタマーマーケティングなど計9社が参加し、流通業界の標準EDI規格「流通BMS」とDCJPYを組み合わせた決済フローを検証した。受発注データから商取引トークンを生成し、DCJPYによる支払い実行と消込ファイルの自動生成までを一気通貫で確認。経理部門の照合・仕訳業務において、数人月分の業務削減効果が見込まれることが示された。短期的には現行業務フローを維持したまま省人化を進め、長期的には完全無人化と財務トレジャリー機能の強化を目標に掲げている。
国際決済銀行(BIS)と国際金融協会(IIF)が主導する官民連携プロジェクト「プロジェクト・アゴラ」は、トークン化技術を活用したホールセール国際決済の実証結果を5月27日に公表した。英国銀行、ニューヨーク連邦準備銀行、フランス銀行、日本銀行、韓国銀行、メキシコ銀行、スイス国立銀行の7中央銀行と40以上の民間金融機関が参加。トークン化された中央銀行準備金と商業銀行預金を組み合わせ、複数通貨・複数管轄にまたがる取引を一体処理するアトミック決済のプロトタイプを構築した。ブロックチェーン基盤の相互運用性を備えたレイヤー型アーキテクチャを採用し、各国の通貨主権を維持しながら連携可能な設計とした。今後はカナダ銀行も新たに加わり、実通貨取引を含む次フェーズへ移行する予定だ。
調査会社グレースケール・リサーチは、永久先物特化型DEX(分散型取引所)「ハイパーリキッド」を「現代のデジタル資産業界における傑出した成功事例」と高く評価したレポートを27日に公開した。2023年8月のローンチからわずか3年足らずで、2025年の永久先物取引高は約2.9兆ドル、手数料収益は約8億ドルに到達。建玉ベースで世界の上位3〜4位にランクインする規模に成長した。HIP-3フレームワークを通じた市場創造モデル、ビルダーコードによる外部誘導、ベンチャーキャピタル資金を排した初期エアドロップ重視のコミュニティ戦略が成長を支える。HYPEトークンは取引手数料を原資としたバーン機構により、流通量が時間と共に減少する構造を備える。

韓国市場では、サムスン系列3社が同国最大手の暗号資産取引所アップビット運営会社ドゥナムの株式合計4%を取得することを5月28日に決議した。サムスンSDSが1%、サムスン証券が2%、サムスンカードが1%を取得し、合計139万株を6,128億ウォン(約650億円)でカカオ系列会社から買い取る。サムスンSDSは既存のIT・AI・クラウド・セキュリティ技術にドゥナムのブロックチェーン運営ノウハウを組み合わせ、国内金融機関向けの次世代デジタル金融インフラ事業を強化する方針だ。サムスン証券はトークン証券の発行・流通領域での協業を、サムスンカードは韓国ウォン建てステーブルコイン導入を見据えた決済エコシステム構築を計画している。5月15日にはハナ銀行も同社株式の6.55%取得を発表しており、韓国金融大手によるドゥナム包囲網が一段と強まった。
米司法省は27日、予測市場ポリマーケットにおけるインサイダー取引疑惑でグーグルのソフトウェアエンジニアを商品詐欺、電信詐欺、資金洗浄の罪で起訴したと発表した。被告のミケーレ・スパニョーロ容疑者は「アルファラクーン」名義で2025年10月15日から12月4日にかけてグーグル関連契約に約275万ドルを賭け、約120万ドル(約1.9億円)の利益を得たとされる。社内アクセス権を悪用し、「今年最も検索された人物」など著名人関連市場で2025年検索データを不正利用した疑いだ。CFTCも民事訴訟を提起し、損害賠償と不当利得返還を求めている。4月の米陸軍兵士による軍事機密悪用事件に続く2件目の訴追であり、ポリマーケットはチェイナリシスと提携した検出ソリューション導入で対応を強化している。
今サイクルの支配的なテーマは、規制明確化と機関資金の正規ルート構築という一本の線で結ばれている。米国CLARITY法は世界の制度設計を方向づけ、BISのアゴラ計画は中央銀行レベルでのトークン化決済基盤を実装段階へ押し上げ、サムスン系の取引所出資はアジア機関マネーが規制枠内での実装に動いた象徴だ。一方でハイパーリキッドの台頭はDeFi側からの競争圧力を示し、ポリマーケット事件は予測市場という新領域における法執行強化を映す。アルトコイン個別のボラティリティ以上に、規制と機関採用が交差する制度的成熟こそが、本サイクルの中核的な物語となっている。