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FASBの提案、要件を満たすステーブルコインを現金同等物として計上可能に

米国会計基準審議会(FASB)は要件を満たすステーブルコインを現金同等物として計上できる会計基準更新案を提示した。パブリックコメントは11月19日まで受け付けられており、施行日は未定。発行者との直接償還契約が分類の鍵となる。

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2026年10月13日, 04:14 JST1分で読めます
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償還権限が分類を決める

米国の会計基準をめぐる動きが、企業のトークン保有の報告方法を変える可能性を帯びている。米国会計基準審議会(FASB)は8月、要件を満たすステーブルコインを貸借対照表上で現金同等物として分類できるようにする会計基準更新案を公表した。現行の実務では、ドルで完全に裏付けられたトークンであっても報告上の現金残高に算入されない場合があり、流動性比率の歪みや融資契約の条項との齟齬を招いてきた。現金同等物とは、企業の報告において現金そのものと同様に扱われるほど流動性の高い資産を指すが、ドル連動型トークンはこの枠の外に置かれてきた。草案の分類要件となるのは、発行者との間でトークンを直接償還できる契約上の権利の有無だ。取引所経由でUSDCを購入しただけでは、この要件は満たさない。決済企業Stripeが支援するブロックチェーン構想Tempoの報告書はこの草案を検証し、企業導入にとって残された最後の主要な障壁を取り除き得ると論じている。同報告書は「発行者との契約こそが要件を満たす根拠であり、トークンそのものではそこに至らない」と述べる。実際の先例として、同報告書はCoinbase Globalが2025年年次報告書でUSDCおよびその他の決済用ステーブルコインを現金同等物として分類したことを挙げている。その根拠となったのはCircleとの償還取り決めだ。会計上の分類は見せ方を超える意味を持つ。現金から除外されたトークンは報告される流動性を実態より薄く見せ、流動性指標や借入契約の条件に影響する。決済や資金決済にステーブルコインを使う企業は、最終基準が施行されればこうした煩雑さなしに利用できるようになる。FASBは草案のパブリックコメントを11月19日まで受け付けており、審議会は寄せられた意見を踏まえて変更案を確定させ、施行日を定めることになる。現時点でいずれも確定していない。

GENIUS法と3,000億ドル市場

提案の公表は、米国が発行を支える規制の土台を整えている最中と重なる。連邦議会は2025年7月、決済用ステーブルコインに関する初の包括的な連邦法フレームワークとなるGENIUS法を可決した。同法は2027年1月、あるいは連邦規制当局が実施規則を確定させてから120日のいずれか早い時点で発効する予定で、発行者には準備期間が明示された。法律は発行者に直接義務を課し、準備金による裏付けと償還義務を求める。その設計は準備金担保型の決済トークンを中心に組みられており、担保となる準備金を持たずにペッグを維持するアルゴリズム型ステーブルコインとは区別される。一方、FASBの草案が扱うのは別の論点で、こうしたトークンを保有する企業が貸借対照表上でどう処理するかという問題だ。市場の規模はもはや仮定の話ではない。DefiLlamaのデータでは、ドル連動型ステーブルコインの市場は3,000億ドルを超えている。政策面の関心も会計の域を超えて広がる。トランプ政権は、ドル連動型ステーブルコインのプロジェクトを海外で推進するため民間企業との連携を検討していると伝えられ、財務省、国務省、米国国際開発金融公社が関与する可能性がある。狙いは、コルレスバンキングの連鎖ではなく即時に決済が完結する決済基盤を通じて、ドルの基軸通貨としての地位を強化することにある。二つの文書を並べて読むと、一つの流れが見える。議会が発行のルールを定め、FASBが保有者の会計処理を定め、市場はすでに変更が反映される十分な深さを持つ。企業の財務担当者にとって重要なのはこの順序だ。GENIUS法が誰がどの準備基準のもとで発行できるかを確定させ、FASBの草案がそのトークンを貸借対照表上でどう評価するかを確定させる。両方が確定するまでの間、ステーブルコイン決済を導入する企業は発行面では規制の明確さを得られる一方、保有面では会計の不確実性を抱える。8月の草案は、この食い違いを埋めるために示されたものだ。

発行者契約のボトルネック

最も狭い条項が結果として最も重くのしかかる可能性がある。分類が発行者との契約にかかっているため、導入は直接の償還条件を交渉できる規模の企業に集中しそうだ。取引所やブローカー経由でトークンを取得した企業は、現金の枠外で保有し続けることになりかねず、草案が約束する便益はそこで削がれる。利回りを付与するステーブルコインのようなトークンモデルも、草案が答えを持たない論点を投げかける。判定基準は償還権限であって経済性ではないからだ。GENIUS法の日程と併せて読むと、発行者のルールと貸借対照表上の取り扱いの双方が確定する現実的な最短期日は2027年初めとなる。企業による決済用途の本格拡大が十分に現実的と見込めるのはその時点以降で、発行者がコメント期間の結果を吸収できる猶予はおよそ四半期しか残されていない。

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