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香港裁判所、47万ドルのUSDT賄賂で元CCB(アジア)銀行員に禁錮4年の判決

香港裁判所、中国建設銀行元行員に懲役4年。47万ドル超のUSDT賄賂で16億ドル規模の偽造信用状を認証。ICACが追加逮捕状を申請、米国訴訟にも波及。

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2026年9月19日, 23:43 JST1分で読めます更新
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USDT賄賂で懲役4年の実刑判決

香港の裁判所は、中国建設銀行(アジア)の元リレーションシップマネジャー、藍俊賢(Lam Chun-yin)氏(32歳)に対し、法定通貨建てでドルと連動するステーブルコインであるTether(USDT)を47万ドル超受け取った贈賄事件で、懲役4年の実刑を言い渡した。USDTは準備金によって裏付けられたステーブルコインであり、アルゴリズム型ステーブルコインとは仕組みが異なる。事件の中心にあるのは、名目評価額16億ドル超の偽造銀行書類を「認証した」見返りに暗号資産を受け取ったという汚職だ。香港廉政公署(ICAC)の公表内容によると、藍氏は銅鑼湾の小売店舗で消費者金融部門に勤務しており、信用状(L/C)を担当する職位ではなく、同書類を扱う許可を銀行から得ていなかったという。偽造書類の出所は、すでに事業を停止した海外のフィンテック企業Vesttoo Limitedに遡る。同社のプラットフォームでは、保険関連の投資案件において投資家が銀行発行のスタンドバイ信用状を担保として差し入えることが求められていた。スタンドバイ信用状とは、取引相手が債務不履行に陥った場合に銀行が支払いを行う保証契約であり、だからこそ偽造版が七桁相当の賄賂に見合う価値を持った。投資会社Yu Po Holdings Limitedは2022年初めに同プラットフォームへ投資家として参加し、その後、犯罪組組織が藍氏を中国建設銀行の発行窓口担当者に擬態させた。捜査で確定した事実によれば、2022年4月から6月にかけて藍氏はVesttooのある部門責任者および関係者と共謀し、同行発行と称する複数のスタンドバイ信用状を認証するとともに、Yu Poの名義で偽られた2件の担保書類にも署名し、その対価としてUSDTの送金を受け取った。Ernest Lin Kam-hung裁判官は起訴事実を認めたことへの減刑として、起点となる6年の刑に3分の1の減軽を適用した。さらに藍氏には、受け取った賄賂額に相当する約370万香港ドルの中国建設銀行(アジア)への返還命令が出されている。

ICACが追加逮捕へ着手

偽造は中国建設銀行(アジア)自身の内部調査によって発覚し、同行はその後、香港廉政公署(ICAC)に汚職の申告を行い、全面的な協力を提供した。同機関のプレスリリースに示された調査内容によれば、銀行およびその姉妹会社は、当該スタンドバイ信用状も担保書類も一切発行しておらず、取引に含まれる書類はすべて偽造物だった。関係者は賄賂の支払いを暗号資産で間接的に迂回させることで、この仕組みを隠蔽しようとした。自己管理型のウォレットアドレス間で価値を移動させ、コンプライアンス部門が監視するコルレス銀行口経由の送金を避けたわけだ。これはクリプトミキサーに利用者が向かうのと同じ匿名性追求の動機だが、事件の記録にミキシングサービス自体は登場しない。USDTは仲介銀行を介さずピアツーピアで決済が完了するため、賄賂には反汚職担当者が照会できる従来型の取引記録が残らなかった。ただし、銀行の内部統制が作動した時点で、今度はその送金経路自体が証拠となった。ICACは事件に関与した他の人物に対する逮捕状を裁判所に申請しており、追加の被告人が登場する可能性がある。判決は、香港当局がデジタル資産に繰り返し直面しているより広い執行実績の中にも位置づけられる。警察当局の公式統計によれば、2025年中に凍結した仮想資産の総額は4億8,000万香港ドルに達した。別件では2025年11月、仮想資産取引プラットフォームを装った詐欺事件で16人が起訴されており、この事件では2,700人超の被害者が発生し、損失額は16億香港ドルを超えた。複数の事例を並べて読むと、一貫した構図が浮かび上がる。資金はオンチェーンを流れるが、責任の追及は最終的に銀行の内部統制と規制当局への申告、そして裁判所にたどり着くという流れだ。リアルタイムで市場を追跡したい読者は、Binanceでスポットおよび先物のリアルタイム価格を確認できる。

帳簿外決済手段としてのUSDT

波紋は米国の法廷にも及んでいる。Vesttooおよび関連企業は2023年8月にデラウェア州でチャプター11の適用を申請しており、清算信託は2026年時点で法廷記録上も存続している。また、Aon傘下のWhite Rock Insuranceがニューヨークで起こした別の訴訟では、同社は中国建設銀行の担保とされる書類を信用して区分セルから約1億4,000万ドルのプレミアムを放出したと主張し、この訴訟は棄却申請の大半を退けられる形となった。4月21日、ニューヨーク州最高裁判所のAndrea Masley裁判官は詐欺関連および監督過責の請求を進行させる判断を示し、藍氏に実際の権限ないし外観上の権限があったかという事実問題を先送りにした一方、重複する過失請求は棄却した。並行する第5巡回区控訴裁判所の事件では、不動産関連プラットフォームPorch.comと仲介業者Gallagher Reの争点について、再保険仲立人の業務範囲をめぐる契約上の1件の請求が審理に戻された。

(11:56 UTC 時点) (2026年時点、11:56 UTC現在)本件の一次記録、すなわち判決命令とICAC自身の公表文書を読み解くと、構造的な点が浮かび上がる。賄賂は銀行送金ではなく、Tetherが発行するトークン経由で意図的にルーティングされた。即時かつほぼ取り消し不能な決済を、銀行明細に決して載ってはならない支払いに利用したのだ。この手法は、米司法省がイラン産原油の取引をめぐって提起した6,120万ドル規模のUSDT没収事件と重なり合い、BinanceのEU・MiCAライセンス認可を妨げた一因となった規制当局の懐疑論を強化してきた。ステーブルコイン発行者にとって、こうした法廷記録の一つ一つは、この資産の正統性が準備金の証明だけでなく、法執行の場で試されているという現実の確認事項である。

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