Progmat傘下のDCCが69社体制で国債のオンチェーン管理を推奨、Bitcoin(BTC)型トークンは見送り
Progmat傘下のDCCが中間報告書を公表し、振替国債の形態を保ったままのオンチェーン管理を推奨。レポ市場250兆円超の約4割を対象に、11月からCanton Networkで実証する。
69社が振替国債のオンチェーン管理で合意
トークン化基盤「Progmat」が事務局を務める業界団体、デジタル資産共創コンソーシアム(DCC)は、日本時間10月22日木曜日に国債トークン化に関する中間報告書を正式に公表した。要旨は前日の21日に国内メディアへ先行流出しており、今回が正式版となる。報告書は2026年5月に発足したDCCのワーキンググループが取りまとめたもので、ブロックチェーン基盤上で国債を発行・流通させる方法を検討してきた。参加する企業・団体は69社に上り、メガバンク3行、日本生命、大和証券などが名を連ねる。検討されたのは三つのルートだ。日本銀行の登録帳簿上で国債を管理する案、社債等の振替に関する法制度に基づき振替国債を管理する案、そして振替国債の交付請求権をトークン化するリンク権方式である。最終的な優先順位を決めたのは税務の扱いだった。振替国債を保有する金融機関は、金融機関間取引における利子の源泉徴収免除の対象となる一方、登録国債やリンク権型トークンはこの適格性を持たず、いずれかを採るなら税制改正が不可欠になる。この結論を踏まえ、中間報告書は振替国債の形態を保ったままオンチェーンで管理する方式を推奨構造と位置づけ、市場参加者への影響が最も小さく既存手続きとの親和性も高い選択と説明する。リンク権方式には未解決の論点も残っていた。トークンが元債券と同等の担保価値を維持できるか、第三者への債権主張の法的要件をどう満たすかである。帳簿上の仕様ではなく税制が経済性を決めたこの例は、機関投資家向けのトークノミクスがコードと同じだけ法制度の中で決まることを示している。
OC口座で国債の法的地位はそのまま
実務設計の中心は、新設のオンチェーン管理口座「OC口座」だ。銀行や証券会社などの口座管理機関が開設し、分散型台帳技術(DLT)と常時同期させる。機関は既存の振替国債の一部を同一投資家名義のままOC口座へ移し、対応する残高がDLT上で表現される。Progmatの斎藤タツヤは、この移行は新たな債券の二重発行ではなく、同一の債券の管理方法が変わるだけだと説明している。ワーキンググループが採用した構造では、24時間365日で稼働しDLTと同期するシステム上のOC口座の記録が振替帳簿の正本となり、従来システムは営業時間内に周辺処理向けのコピーを取る。検証は狭い範囲から始める。日本銀行の直結口座を持つ口座管理機関を1社とし、日銀システムに直接触れない形で決済できる環境で試す。機関間の移転は、中央証券保管機関としての日銀とAPI連携することで実行され、既存の記録が完了した時点で移転が確定する。狙いは新商品の投入ではない。報告書が対象とするのは、日本証券クリアリング機構の中央決済の枠外にある相対レポ取引で、日本のレポ市場を250兆円超と推計し、資金調達の約40%が中央相手方の外にあると位置づけている。こうした取引の約定後確認、決済、担保管理をオンチェーンに移すことで、日銀の当日中オーバードラフトを利用できない非居住銀行やファンドが、「万一」に備えて担保を前もって置くのではなく、「必要な時に」担保を動かせるようになる。第2段階では、11月の開始を目指しCanton Network上で設計を検証する予定で、Progmatはテスト用のトークン化国債、トークン化預金、ステーブルコインを発行するサンドボックスを用意し、国内外のレポ・担保プラットフォームと接続する。機関側の実証もすでに動いている。MUFGは2026年8月13日に、Progmat、Digital Asset、Secured Financeとのオンチェーン国債レポの共同実証を発表し、金融庁の「決済高度化プロジェクト(PIP)」がこれを支援する。米国では、BroadridgeのDLTベースのレポ基盤が2026年7月に月間処理額8兆ドル、日平均3,650億ドルに達しており、DTCCはDTCで保管する米国債のトークン化サービスを準備している。
新たな債券ではなく帳簿の更新
この計画で重みを持つ論点は二つある。第一に、日本のトークン化証券市場はこれまで、不動産セキュリティトークンなど小口投資家向けの新商品を中心に構築されてきた。今回の中間報告書はその機械を、250兆円規模の機関投資家市場の約定後処理へ向ける。取引量と効率化の実利はそこに存在する。第二に、帳簿の思想がパブリックチェーンとは異なる。OC口座は既存の国債を写すだけであり、取引可能な証券を新たに生み出すものではない。ガバナンストークンでもなければ、
Bitcoin (BTC)が自らの台帳上にのみ存在するのと同じ意味で完全にオンチェーンの資産でもない。国債の法的地位は既存の振替制度側に残る。設計はDAppのような全面的な作り直しにも踏み込まず、現行の取引経路と契約を保ったまま、約定後処理のみをオンチェーンへ移す。この漸進的アプローチが米国のレポ基盤との差を埋められるかどうか、答えを出す場が11月のサンドボックスだ。
一次情報源
- PIP · fsa.go.jp
AIによって生成され、AIによるレビューを経て、COINOTAGの編集監督のもとで公開されました。

