ステーブルコイン流通速度49.7倍で過去最高、コインベースがIQMM出資、SECが2026-2030戦略計画案を公表

(23:07 UTC)
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暗号資産ニュース

マーケットメーカー兼投資会社のDWFラボが2日に公開した最新レポートで、ドル建てステーブルコインのベロシティ(流通速度)が49.7倍と過去最高水準に達したことが明らかになった。同社はボット取引や高頻度取引、内部取引を除外したビザおよびAlliumのデータをもとに分析し、現在流通する各アルトコインとは異なる用途構造を指摘している。2019〜2021年のフェーズ1では24〜28倍、2022〜2024年のストレステスト局面で34.2倍がピークだったベロシティが、2025年以降に急騰した点が今回の論点だ。供給量増加を取引高が上回り、構造的転換が起きていると同社は強調する。

ステーブルコインのベロシティ推移

DWFラボはさらに、取引高の内訳が取引所活動から実需へとシフトしている点を重視している。送金、企業間(B2B)決済、企業・消費者間(B2C)決済の構成比が急拡大し、ステーブルコインは投機の媒介物から決済インフラへと役割を変えつつあると分析した。テラ崩壊やFTX破綻時には待機資金として大半が滞留していたのに対し、現在は資金循環そのものが取引活動を牽引している格好だ。循環供給量が増加しても流通速度が落ちない構造は、現実世界での実用フェーズに突入したことを示す指標と位置づけられている。

米暗号資産取引所コインベースは6月2日、プロシェアーズが運用する「ジーニアス・マネーマーケットETF(ティッカー:IQMM)」への戦略的出資を公式発表した。IQMMは2025年7月成立の包括的ステーブルコイン規制法「ジーニアス法」が定める準備資産要件に適合した世界初のマネーマーケット現物ETFで、満期93日以内の米短期国債と現金等価物で構成される。発行体が1対1の高品質・高流動性資産による裏付けを維持するためのビークルとして設計されており、毎月の開示義務にも対応する。ブロックチェーン業界の決済層を支える準備資産インフラに、大手取引所が踏み込んだ事例として注目される。

コインベースとIQMMの戦略提携

IQMMは2026年2月19日のニューヨーク証券取引所アーカ上場初日に約170億ドルの取引高を記録し、ETF史上最大級のデビューとなった。ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は「過去のETFデビュー記録を桁違いに上回る」と評した。コインベースは公式ブログで、今回の出資はステーブルコイン普及に向けた「フルスタック」戦略の一環だと説明している。決済、配布、開発者向けツールに続き、準備資産の管理・運用という「見えにくいが不可欠な領域」にも事業を拡張する方針で、機関投資家向けインフラ整備の動きが鮮明になった。

米証券取引委員会(SEC)は6月2日、2026〜2030会計年度を対象とする戦略計画案を公表した。投資家保護、公正かつ秩序ある市場の維持、資本形成促進という連邦議会が定めた中核使命に立ち返る姿勢を示しつつ、暗号資産と分散型台帳技術(DLT)に特化した独立目標を初めて明記した点が業界の関心を集めている。SECは「ブロックチェーンと暗号資産は米国の金融インフラを刷新する潜在力を持つ」と評価し、トークン化、カストディ、ステーキングを過度・重複した規制負担なしに運用できる枠組み構築を掲げた。パブリックコメント募集は7月2日まで実施される。

計画案ではさらに、商品先物取引委員会(CFTC)との管轄区分の明確化と、場当たり的な執行による規制範囲の拡大を避ける執行方針への転換も盛り込まれた。ポール・アトキンス委員長は「在任中、委員会はこの3つの使命から逸脱することはない」と明言し、EDGARなど旧式システムの近代化や、AI・ブロックチェーンを活用した業務効率化も並行して推進する方針を示した。情報開示の簡素化や私募市場へのアクセス拡大と組み合わせ、責任あるイノベーションを支える「目的に適った明確なルール」の整備を目標に据えた格好だ。DeFiDEXを含む新興分野への波及も視野に入る。

今回相次いだ動きは、規制の明確化と実需拡大が並走する局面に市場が入ったことを示している。ステーブルコインは投機の媒介物から決済インフラへと役割を変え、ジーニアス法を起点とする準備資産規制が大手取引所の戦略投資を呼び込んでいる。同時にSECが暗号資産を独立した戦略目標に据えたことで、トークン化金融の制度的基盤整備が長期テーマとして固まりつつある。マクロには、英中銀によるホルディング上限見直し論や米財務省のイラン取引所制裁など、地政学・コンプライアンス圧力も継続的に重なり、機関化と規制統合という二本軸が当面の支配的ナラティブとなる見通しだ。

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Kenji Suzuki

COINOTAG yazarı

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