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Vitalik Buterin氏が警告、AIがEthereum(ETH)の暗号技術を破る可能性

Vitalik Buterin氏は11月3日、AIが50年分の数学的進歩を約5年に圧縮し、Ethereum(ETH)やビットコインを守る暗号技術を破るアルゴリズムを発見する可能性があると警告した。ECDLPや格子暗号への影響、Devcon 8での発言を整理する。

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2026年11月3日, 19:52 JST1分で読めます
AI要約AI
  • Vitalik Buterin氏が11月3日、AIによる暗号解読リスクをXで警告
  • ECDLPはETHとBTCのウォレットアドレスの秘密鍵を保護
  • Devcon 8をムンバイで開幕、会議は11月6日まで開催
  • Ethereumには累計100万人超の開発者が貢献と財団が記録

未発見のアルゴリズムへの警告

Ethereum (ETH)とBitcoin(BTC)を守る暗号技術をめぐり、Ethereum共同創設者のVitalik Buterin氏が新たな安全保障上の懸念を提示した。脅威の正体は量子コンピュータではない。11月3日付のXへの投稿で同氏が最も警戒すると指摘したのは、楕円曲線離散対数問題(ECDLP)を解ける可能性を持ちながら、まだ誰にも発見されていないアルゴリズムの存在だ。AIが50年分を超える数学的進歩をわずか5年程度に圧縮すれば、その発見のきっかけになり得るという。ECDLPは両ネットワーク上のすべての暗号資産ウォレットアドレスの秘密鍵を支える問題であり、実用的な解法が出現すれば、公開鍵を知る誰もが秘密鍵を導き出せる事態を意味する。同氏が物差しに挙げたのが、1980年代初頭に登場し大数の素因数分解を飛躍的に高速化してRSA型暗号を弱体化させた二次ふるいだ。ECDLPについては、これに相当する近道は今日まで公表されていない。第二の懸念箇所として同氏が名指ししたのがペアリングだ。Ethereum Casperプロトコルのもとで各バリデータがブロックへの投票に用いる署名の基盤技術であり、現行より強力なアルゴリズムが未発見のまま眠っている可能性のある場所だという。懸念の射程は代数学にとどまらない。主要な耐量子暗号標準の数々が基づく格子ベースの手法も挙げられており、量子コンピュータ対策を前提に設計された今後のアップグレードを待っても、ETHとBTCの保有者からリスクが完全には消えないことを示唆する。業界は長年、量子機の登場を防御計画の前提に置き、耐量子標準もそのために格子問題を採用してきた。Buterin氏の枠組みは、問いの所在を「まだ存在しないハードウェア」から「すでに存在し得る数学」へ移し、暗号技術に関わる発見の時期を量子ビットの成熟ではなく、AI支援型研究の速度に結びつける。もっとも同氏は、そうしたアルゴリズムが実際に存在すると主張したわけではない。投稿はリスクの指摘にとどまっており、その線を超えることはなかった。

衣装と基調講演、6つの目標

Buterin氏は自身が共同で創設したネットワークの旗艦開発者会議、Devcon 8をムンバイで開幕させた。その舞台姿が話題を呼んだ。黄色いスマイリーマスクに、目がびっしり描かれたマントを羽織ったもので、2022年の恐竜衣装以来といわれる異例の出で立ちだ。X上では、AI生成画像のShoggothミームとの類似が指摘された。これは無害そうなマスクの奥に怪物が隠れる図で、生のモデルを怪物、チャットボットを無害に見せる学習をマスクに見立てた比喩である。衣装の意図について同氏自身の説明は今のところない。基調講演は、Ethereum (ETH)財団の公式アカウントが記録したところによれば、ネットワークの使命を6つの目標に結びつけた。形式的検証を経たオペレーティングシステム、オープンなシリコン、自己主権型のヘルステック、信頼できるAI、自由な言論、そしてプライベートな通信だ。「オペレーティングシステムを信頼できなければならない。ハードウェアを信頼できなければならない。健康に最も関わるものを信頼できなければならない」。投稿はこうした発言を引用している。Ethereumには史上累計で100万人を超える開発者が貢献しており、会議は11月6日まで続く。暗号技術をめぐる議論が進む間、そのコミュニティが会場に留まることになる。今回の警告は、近年の同氏の足取りとも重なる。先月にはプライベートチャット向けの「パラノイドモード」を発表し、ハッキング能力を意図的に抑えて学習させたAIモデルを支援した。10月31日のデジタルミニマリズムに関するエッセイも、その流れの中に位置づけられる。衣装、基調講演、投稿の三者がそろい、開幕当日の会議の中心にAIリスクが据えられた形だ。

誰も確認できていない部分

この一件の一次記録はButerin氏自身の投稿であり、その内容は慎重に条件付きに保たれている。解読済みのECDLPアルゴリズムが存在するとの主張はなく、存在の可能性が示されたのみだ。当メディアの読みでは、この枠組みはセキュリティ論争を二つの正面で同時に広げる。第一に、格子を軸に編成されている耐量子移行が、AI支援の数学が代数的な近道を先に見つけた場合に十分な答えなのかという問いを投げる。第二に、AIを道具ではなく加速装置として位置づけ直す点だ。いずれの効果も現時点では観測されていない。該当するアルゴリズムは姿を見せておらず、ネットワークで鍵関連の事故が報告されたこともない。Ethereum財団が公表した情報も基調講演の資料にとどまる。当面、この主張の重みは、マスクを着けた舞台で語られた一人の開発者のリスク評価の上に載っている。

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