用語集指標
ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドとは、20期間の移動平均線と、その上下に標準偏差の2倍の距離で引いた帯からなるボラティリティ指標です。相場が活発になると帯が広がり、落ち着くと狭まります。
最終更新 出典
ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)は、ジョン・ボリンジャーが1980年代に考案した指標で、今ではほぼすべてのチャートツールに搭載されています。中央の移動平均線と、その上下に価格の変動の大きさに応じた距離で引かれる2本のバンドの、計3本で構成されます。
基本的な考え方は、価格が「高い」「安い」を絶対的な数字ではなく、直近の値動きと比べて判断することです。上のバンドに近ければ直近20期間に比べて相対的に高く、下のバンドに近ければ相対的に安い位置です。バンドの幅は、相場がどれだけ活発かを表します。日本の投資家の間では「±2σ(シグマ)」という呼び方が定着しています。テクニカル分析全体での位置づけは暗号資産テクニカル分析ガイドを参照してください。
計算式:中心線SMA(20)と±2標準偏差
標準設定の (20, 2) は次のように計算します。
| バンド | 計算式 |
|---|---|
| 中心線(ミドルバンド) | 直近20本の終値の単純移動平均:SMA(20) |
| 上のバンド(+2σ) | SMA(20) + 2 × σ |
| 下のバンド(−2σ) | SMA(20) − 2 × σ |
σ は同じ20本の終値の標準偏差で、終値が平均からどれだけ散らばっているかを表します。考案者は、標本ではなく母集団の標準偏差(二乗和をN − 1ではなくNで割る)を使うと説明しています。
終値が平均の周りに散らばるとσが大きくなりバンドが開き、終値が近い値に集まるとσが小さくなりバンドが狭まります。価格は正規分布に従わないため、バンドの内側に収まる割合は一定ではありません。バンドは確率の境界ではなく、相対的なものさしです。
計算例
基本の例: 中心線(SMA 20)が100、標準偏差が5なら、上のバンドは 100 + 2 × 5 = 110、下のバンドは 100 − 2 × 5 = 90 です。
標準偏差の求め方: 仕組みを見るため、5本の小さな窓で考えます。終値が96、98、100、102、104(説明用の数字)なら平均は100。平均との差の二乗は16、4、0、4、16で合計40、5で割った分散は8、その平方根でσ ≈ 2.83 です。この窓ではバンドは 100 ± 2 × 2.83、つまり約105.66と94.34になります。実際の指標では同じ計算を20本で行います。
バンド幅:スクイーズとエクスパンション
ボリンジャーが定義した補助指標のひとつがバンドウィドス(BandWidth)です。
BandWidth = (上のバンド − 下のバンド) / 中心線
上の例では (110 − 90) / 100 = 0.20 です。
- スクイーズ: バンド幅が自身の過去と比べて非常に小さくなった状態。ボラティリティが低い状態が続いています。静かな局面のあとには活発な局面が来ることが多いものの、スクイーズは方向を示さず、動きが準備されている可能性を示すだけです。
- エクスパンション: バンドが急速に広がる状態で、強い値動きが始まったシナリオと整合的です。
どちらに抜けるかは、出来高、MACD、水平なサポートとレジスタンスのブレイクなど、ほかの手がかりで判断します。
%B(パーセントB)
%B は、価格がバンドのどこにあるかを1つの数字で表します。
%B = (終値 − 下のバンド) / (上のバンド − 下のバンド)
- %B = 1:価格は上のバンド上
- %B = 0.5:価格は中心線上
- %B = 0:価格は下のバンド上
終値105、バンドが110と90なら %B = (105 − 90) / 20 = 0.75 です。値は1を超える(上のバンドの外)ことも、0を下回ることもあります。%Bを使うと、価格水準の違う銘柄同士を同じ尺度で比べたり、RSIのようなオシレーターと並べて読んだりしやすくなります。
見方:バンドへのタッチは売買シグナルではない
よくある誤りは、上のバンドへのタッチを「割高だから売り」、下のバンドへのタッチを「割安だから買い」と読むことです。ボリンジャー自身の解説も、バンドに触れること自体はシグナルではなく、別の指標による確認が必要だと強調しています。
より妥当な読み方は次のとおりです。
- 強い上昇で上のバンドに何度も触れるのは、トレンドの強さと整合的で、弱さではありません。
- 上のバンドへのタッチと同時にモメンタム指標が弱まっていれば、上昇の勢いが鈍っているシナリオが有力になります。
- 中心線(SMA 20)は、トレンド中の押し目で意識される目安です。
- バンドの端での反応の強さは、ローソク足の形でも判断できます。
日本では、強いトレンドで価格が±2σに沿って進む動きを「バンドウォーク」と呼びます。
限界:強いトレンドでのバンドウォーク
- バンドウォーク: 強いトレンドでは、価格が何日も上(または下)のバンドに沿って進むことがあります。タッチのたびに反転を想定すると、トレンドに逆らうことになります。
- 遅行性: 中心線は移動平均線なので、価格のあとを追います。
- 設定への依存: (20, 2) は出発点にすぎず、期間を短くするとタッチが増えます。考案者のルールでは、50期間なら倍率を2.1、10期間なら1.9に調整します。設定を変えればすべての読み方が変わります。
- テクニカル指標はだましを出す: 値動きの荒い相場ではだましが増えるため、スーパートレンドなどのトレンド追随型の指標と合わせて読みます。
実際の例
ボリンジャー(20, 2)の値は、ビットコインのテクニカル分析とサポート・レジスタンス水準で上・中心・下のバンドとして価格と並べて確認できます。同じ値はイーサリアムのテクニカル分析にもあります。
株式とコモディティでは、NVIDIAのテクニカル分析と金(XAU)のテクニカル分析に同じ計算があります。多くの銘柄を一覧で比べるなら、暗号資産テクニカルサマリー表と株式・コモディティのテクニカルサマリーが便利です。
よくある質問
ボリンジャーバンドとは何ですか?
20期間の移動平均線と、その上下に標準偏差の2倍の距離で引いた帯からなるボラティリティ指標です。
ボリンジャーバンドはどう計算しますか?
中心線は直近20本の終値の単純平均です。上のバンドは平均に標準偏差の2倍を足した値、下のバンドは平均から2倍を引いた値です。
スクイーズとは何を意味しますか?
バンド幅が過去と比べて非常に狭くなった状態で、ボラティリティが低いことを示します。その後は活発な局面が来ることが多いものの、方向は示しません。
上のバンドに触れたら売りシグナルですか?
いいえ。強いトレンドでは価格が上のバンドに沿って進むことがあります。タッチ自体はシグナルではなく、ほかの指標で確認が必要です。
なぜ(20, 2)が標準設定なのですか?
考案者が推奨する既定値で、20期間の平均と標準偏差2倍の組み合わせです。期間を変える場合は倍率も調整するのが一般的です。
ボリンジャーバンドと相性のよい指標は?
RSIやMACDなどのモメンタム指標、出来高、トレンド判断のための移動平均線やスーパートレンドがよく組み合わされます。

