用語集指標
スーパートレンドとは?
スーパートレンド(Supertrend)とは、価格の中心値にATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)の一定倍を足し引きして描くトレンド追随型の指標です。上昇局面では価格の下に、下降局面では価格の上に1本の線として表示されます。
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スーパートレンドとは?
スーパートレンドは、チャート上で価格を追いかける1本の線です。上昇局面では価格の下にあり一般に緑色、下降局面では価格の上に移って赤色で表示されます。線が反対側へ移ることを「向きが切り替わる(転換する)」といいます。
入力は2つで、ATRを計算する期間と、ATRの何倍離すかを決める倍率です。よく使われる設定は (10, 3)、つまり10期間のATRと3倍の倍率です。値動きの大きさに応じて距離が伸び縮みするため、ボラティリティで調整されたトレーリングストップのように働きます。テクニカル分析全体での位置づけは暗号資産テクニカル分析ガイドを参照してください。
ATRの概要:アベレージ・トゥルー・レンジ
ATRは、J・ウェルズ・ワイルダーが1978年の著書『New Concepts in Technical Trading Systems』で紹介した値動きの大きさ(ボラティリティ)の指標です。RSIも同じ本で紹介されました。まず各足の真の値幅(TR)を、次の3つのうち最大のものとして求めます。
- その足の高値 − 安値
- |高値 − 前の足の終値|
- |安値 − 前の足の終値|
例:前の終値101、高値108、安値102なら、3つの値は6、7、1で、TR = 7 です。前の終値を含めることで、窓を空けて始まったときに値動きを小さく見積もるのを防ぎます。
ATRは真の値幅をワイルダー方式で平滑化した平均で、今日のATR = (前日のATR × (N − 1) + 今日のTR) / N です。ATR自体は方向を示さず、値動きの大きさだけを測ります。
計算式:(高値+安値)/2 ± 倍率 × ATR
足ごとに2本の基本バンドを計算します。
| バンド | 計算式 |
|---|---|
| 中心値 | (高値 + 安値) / 2 |
| 基本上側バンド | (高値 + 安値) / 2 + 倍率 × ATR |
| 基本下側バンド | (高値 + 安値) / 2 − 倍率 × ATR |
計算例(説明用の数字): 高値108、安値102、ATR(10)が2、倍率3の足なら、中心値は (108 + 102) / 2 = 105、上側バンドは 105 + 3 × 2 = 111、下側バンドは 105 − 3 × 2 = 99 です。
基本バンドはそのまま描かず、「最終バンド」に変換します。上昇局面では下側バンドは上にしか動きません。次の足の基本下側バンドが100なら線は99から100へ上がり、97なら99のままです(前の終値がバンドを下回っていない限り)。下降局面の上側バンドはこの逆です。この「トレンド方向にしか進まない」ルールが、トレーリングストップのような動きを生みます。
向きの切り替わり:終値とバンドの位置関係
向きが変わるかどうかは、終値がバンドに対してどこにあるかで決まります。
- 上向き(線が下側バンド)のとき、終値が下側バンドを下回ると線は上側バンドへ移り、下向きになります。
- 下向き(線が上側バンド)のとき、終値が上側バンドを上回ると線は下側バンドへ移り、上向きになります。
例の足で上向きなら線は99にあり、終値が99を下回らない限り向きは変わりません。終値が98になると、線は111付近の上側バンドへ移ります。切り替わりは足の終値で確定し、足の途中の一時的なヒゲは考えません。
見方:予測ではなくトレンド追随の道具
スーパートレンドはトレンドの始まりを事前に知らせるものではなく、ある程度続いたトレンドを追いかけます。読むときのポイントは次のとおりです。
- 位置: 線が価格の下なら上昇トレンド、上なら下降トレンドと整合的です。
- 距離: 価格と線が大きく離れていれば動きが加速しており、距離が縮まればトレンドの勢いが鈍っていることと整合的です。
- 水準として: 線は、現在のトレンド判断が成り立たなくなる価格を示す動的なサポートとレジスタンスとして意識されます。
切り替わりは「売買の合図」ではなく、指標の向きが変わったという記録です。
限界:横ばい相場での頻繁な切り替わり
- 横ばい相場: 相場は多くの時間をはっきりしたトレンドなしで過ごします。この間は終値がバンドを頻繁に越え、指標が短い間隔で向きを変えます。
- 遅行性: 過去のATRと値幅から計算するため、転換は起きたあとにしか示せません。
- 設定への依存: 倍率を小さく(例:2)すると線が価格に近づき切り替わりが増え、大きく(例:4)すると切り替わりは減る代わりに遅くなります。
- 急な窓: ニュースによる急変では、価格が線を大きく飛び越えることがあります。
移動平均線やRSIとの組み合わせ
スーパートレンドは単独では使いません。よくある組み合わせは次のとおりです。
- 移動平均線: 200期間の平均線の向きとスーパートレンドの向きが一致すれば、読みはより一貫します。違いは、平均線が終値の平均であるのに対し、スーパートレンドはボラティリティで調整した距離を使う点です。
- RSIとMACD: 勢いがトレンドを支えているかを確認します。
- ボリンジャーバンドと一目均衡表: ボラティリティとトレンドの帯について別の視点を加えます。
- ローソク足の形: 切り替わった足の強さを判断する助けになります。
実際の例
スーパートレンド(10, 3)の値と向きは、ビットコインのテクニカル分析とサポート・レジスタンス水準で確認できます。同じ指標はイーサリアムのテクニカル分析にもあります。
取引時間のある市場では、NVIDIAのテクニカル分析と金(XAU)のテクニカル分析に同じ計算があります。多くの銘柄のスーパートレンドの向きを一覧で比べるなら、暗号資産テクニカルサマリー表と株式・コモディティのテクニカルサマリーが便利です。
よくある質問
スーパートレンドとは何ですか?
価格の中心値にATRの一定倍を足し引きして描くトレンド追随型の指標です。上昇局面では価格の下、下降局面では価格の上に表示されます。
スーパートレンドはどう計算しますか?
(高値 + 安値) / 2 ± 倍率 × ATR で基本バンドを求め、トレンド方向にしか進まないように更新します。線はトレンドに応じて下側か上側のバンドに置かれます。
スーパートレンド(10, 3)とはどういう意味ですか?
ATRを10期間で計算し、中心値からATRの3倍離れた位置にバンドを描く設定です。
向きが切り替わると何が起きますか?
終値が反対側のバンドを越えると、線が価格の反対側に移り色が変わります。向きが変わったことの記録であって、予測ではありません。
横ばい相場でも使えますか?
相性はよくありません。はっきりしたトレンドがない局面では終値がバンドを頻繁に越え、短い間隔で向きが変わります。
移動平均線との違いは何ですか?
移動平均線は終値の平均です。スーパートレンドはATRで調整した距離で価格を追いかけ、トレンド方向にしか進みません。

