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伝統的金融(TradFi)

SMBCなど9社、ステーブルコインでトークン化証券の決済検証を完了

SMBCを中心とする9社がProject Trinity第2フェーズを完了。START市場でトークン化社債を信託型ステーブルコインによるDvP決済し、障害シナリオも検証した。

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2026年10月6日, 15:48 JST1分で読めます
AI要約AI
  • SMBCなど9社が10月6日、Project Trinity第2フェーズの完了を発表
  • 2026年4月から9月、大和証券とSBI証券間の取引をシミュレーション
  • SBI VC Tradeが社債トークンを、SMBCが信託型ステーブルコインを発行
  • グループはT+2決済を近い目標に掲げ、実現可能性を一定程度確認
mexc.com

Project Trinity第2フェーズが完了

三井住友フィナンシャルグループ傘下のSumitomo Mitsui Banking Corporation(SMBC)を中心とする国内金融9社は、ステーブルコインでトークン化証券を決済する実証実験の第2フェーズを完了した。10月6日、実施グループが発表した。実証は「Project Trinity」と呼ばれ、証券と代金を同時に交換することで、取引の片一方だけが残る状態を防ぐ決済方式、いわゆるDvP(Delivery versus Payment)を検証した。発表は、日本のデジタル証券市場向けに実運用水準の決済インフラへ前進したと位置付けている。同実験が狙う課題は構造的なものだ。現在のデジタル証券取引では、証券の移転と代金の支払いが必ずしも同時に完了しない。片方が先に終わると相手先のデフォルトで待つ側が元本を失う可能性があり、DvPは両脚を同時に執行することでこの隙間を埋める。資金脚には変動の激しい暗号資産ではなく、法定通貨に価値を連動させたステーブルコインを採用した。第2フェーズは2026年4月から9月にかけて実施され、大和証券とSBI証券の間の取引をシミュレーションした。大阪デジタル取引所が運営するトークン化証券市場「START」上で2件の決済が成立している。証券側はSBI VC Tradeが発行したトークン化社債、支払い側はSMBCが発行した信託型ステーブルコインが担った。インフラは2社の専門家が支えた。Progmatがトークン化証券の発行・管理レイヤーを構築し、ProgmatとDatachainが、別々のブロックチェーン上に存在する証券トークンと決済トークンをつなぐ技術を供給した。各チェーンが固有の合意形成メカニズムを持つ中で複数チェーンを横断する、いわゆるオムニチェーンの課題に対応するものだ。検証範囲は円満な決済にとどまらない。参加各行はステーブルコインの購入と償還も試し、決済口座のステーブルコイン残高が不足するケース、双方の取引内容が一致しないケースという2つの障害シナリオをリハーサルした。グループは、想定範囲内の全シナリオで結果が期待を満たしたと報告している。

デポジットトークンからステーブルコインへ

今回の特徴は、資金脚にステーブルコインを用いた点だ。4月にはSBI証券や大和証券を含む6社が、銀行預金をトークン化した決済トークン「DCJPY」でトークン化証券を決済する別のDvP実証を完了している。前回は決済設計そのものの妥当性を確認した。新フェーズでは資金手段をステーブルコインに置き換えた。機関利用を銀行各行が進める資産クラスへの移行であり、帳面上は小さな変更だが実務上は重い。デポジットトークンがすでに銀行口座にある資金を表すのに対し、信託型ステーブルコインは発行銀行が保有する信託財産を担保に発行・償還される仕組みだからだ。2つの実証は同じ目標に収束する。グループは、取引成立から2営業日後にDvPを執行するT+2決済を近い目標に掲げ、この形態の決済が実現可能であることを一定程度確認したと述べた。ただし表現は実運用へのコミットには踏み込まず、次フェーズの日程も明示されていない。市場構造も公開の暗号資産取引所とは異なる。STARTは規制された証券市場であり、値付けは公開の暗号資産取引所のようなオーダーブックとはまったく違う枠組みで、発注、取引相手資格、決済ルールのすべてが許可制の枠内に置かれる。グループは実証トークンを載せたチェーン環境を開示しておらず、発表文で特定の公開メインネットも名指しされなかった。第2フェーズが新たに加えたのは、障害系の検証だ。2件の正常決済に加え、ステーブルコイン残高が不足した場合、当事者間で取引内容の報告が食い違った場合の挙動を確認した。これらの境界事例は、手動での照合なしに自動DvP決済が稼働できるかを左右するもので、グループは想定範囲内で結果を満足と判断した。

資金脚の選択が問われる理由

2つの実証を並べると、国内機関投資家が決済基盤をどう選んでいるかが見えてくる。DvP設計は決済時点の元本リスクを除去する。これは、レバレッジ取引で価格が証拠金に逆行した際に負う清算リスクとはまったく別次元の運用上の障害だ。より示唆的なのは資金脚の選択である。銀行各行は、公開チェーン上のトークンを経由するのではなく、自ら発行し管理するステーブルコインを許可制のレール上で検証し、T+2を目標として掲げた。10月6日の発表から読み取れる限り、残る不透明要素は技術ではなく実運用への移行日程だ。

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