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イーサリアム

イーサリアム財団、2029年までに10,000TPS達成を目指す

Ethereum Foundationが長期計画Strawmapを公表。約7回のハードフォークでメインネット毎秒10,000件の処理を実現し、2029年12月までの耐量子防御を目指す。レイヤー2は毎秒1,000万件の長期目標を掲げた。

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2026年11月5日, 11:43 JST1分で読めます

Lean Ethereum構想:7回のハードフォークで10,000TPSへ

Ethereum (ETH) Foundationは長期開発計画「Strawmap」を公表した。約7回のハードフォークを経てイーサリアム(ETH)の中核技術の大半を組み替え、2029年12月までにメインネットで毎秒10,000件の取引処理と量子コンピュータへの完全な防御を実現する「Lean Ethereum」を目指す内容だ。ハードフォークとはネットワークの中核ルールを変更するアップグレードを指す。計画の公表は直近24時間でイーサリアムの価格が7.8%動いた中で行われ、同財団は速度と同じ重みでコスト削減を目標に据え、処理能力の拡大をガス代引き下げと一体で進める方針を明示した。共同創設者のVitalik Buterin氏はこの大改造を、2022年のマイニングを終わらせ proof-of-stakeへ移行して仮想通貨業界の在り方を変えたThe Mergeに匹敵する、ネットワークの第3の大進化と位置づけている。今後3〜4年で、ネットワークを構成する中核技術のほぼすべてが置き換わる見通しだ。ただし財団自身が2029年の期日には伸縮性を認めており、アップグレードの順序と日程は開発の実際の進捗に左右される。

現在のメインネットの処理能力は毎秒約30件。ロードマップはこれを10,000件まで引き上げるもので、300倍を超える拡大となる。メインネットに結果を返す補助ネットワークであるレイヤー2については毎秒1,000万件を目標に掲げるが、これは実証済みの成果ではなく長期的な志向として示された数値だ。検証のあり方も変わる。全参加者が取引記録を再計算する代わりに、複雑な計算を簡潔な暗号学的証明で確認する仕組みに移行し、ブロックチェーンの負荷を減らして処理速度を高める。互換性は設計段階で保証されており、利用者と開発者は既存のスマートコントラクトやサービスを組み替えずにそのまま動かせる。この計画は、スケーリング、耐量子セキュリティ、プライバシーを別個の施策として出すのではなく、一連のフォークにまとめて織り込んでいる。

2029年の耐量子期限と縮小する財団

耐量子性はこのロードマップのセキュリティ面の柱だ。現在建く亘く使われている暗号方式の一部は、将来の高性能な量子コンピュータの前で保証を失う。計画ではこうした方式を耐量子構造へ段階的に置き換え、2029年12月までに完全な防御能力を達成するとしている。プライバシー技術も同じ優先順位に置かれており、取引データの機密性強化と、規制が求められる場面でのコンプライアンス証明能力がセットで進められる。

アップグレードの間隔は約6カ月と冒険的で、かつ明示的に柔軟だ。財団は開発難度と検証要件が明確になるにつれ、順序を入れ替えられるとしている。10月の改訂では一部のアップグレード目標がすでに2029〜2030年に先送りされた。直近の工程表は今年のGlamsterdamから2027年のHegotaへ続き、その後、耐量子公開鍵の登録と新しい取引検証技術が続く。各フォークの発動には、すべてのクライアントチームとノード運営者が互換ソフトを準備済みにする必要があり、財団が順序を固定しない理由の一つでもある。9月の開発方針では、2029年12月の耐量子期限が広義のEthereumロードマップの中核課題と位置づけられていた。

実行力が未解決の変数だ。財団は6月に54名、全人員の約20%を削減し、運営予算の40%減も発表した。いずれも開発への経営資源集中を目的とした措置とされる。市場環境は厳しい。イーサリアムETFは10月に合計16億1,000万ドルの資金流出を記録し、2024年の上場開始以来最長の連続流出となった。アプリケーション層の拡張も試練を受けている。Blastのレイヤー2はブリッジに651万ドルを残したまま閉鎖しており、処理能力だけではネットワークは存続できないことを示した事例だ。プロトコル面では、1ETHのビルダー預かりを課すePBSのMEVポリシー案が同一アップグレードサイクルの議題に含まれる。その実績の上に、約4年間に及ぶ途切れないアップグレードがさらに積み重なることになる。

計画の成否を握るのは処理量より検証

計画の成否を分けるのは処理量ではなく検証だ。複雑な計算を簡潔な暗号学的証明で確認できれば、メインネット10,000TPSとレイヤー2で1,000万TPSという目標はアーキテクチャ上の課題から工学的な課題へ変わる。その転換がなければ、両目標は志向にとどまる。生き残る制約は互換性の保証だ。既存アプリケーションを動かし続けると宣言した以上、各フォークが実行層のどこまでを置き換えられるかは上限を付けられる。ノード運営者は、人員20%減、予算40%減の財団を相手に、約7回に及ぶ合同クライアントアップグレードへ直面する。10月の改訂は作業の一部をすでに2030年に送っている。2029年の日付はあくまで目標であり、試金石は6カ月ごとの実行ペースだ。

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