スタンダードチャータード、Arbitrum(ARB)に2030年10ドル目標を設定
スタンダードチャータードがArbitrum(ARB)のカバレッジ開始。2030年末に10ドルの目標を設定し、Robinhood Chain経由の拡張プログラム収益とトークン化資産の拡大を根拠に段階的な上昇シナリオを提示した。
AI要約AI
- Robinhood Chainの日次手数料が9月4日に604万ドルでピーク
- Arbitrum DAOの上半期収益が4収益源から計619万ドル
- ARBの流通量は約66億7,800万ARBで10ドル目標は時価総額約668億ドル
- L2Beat集計のArbitrum One保護価値は107億ドル
スタンダードチャータード、2030年までに10ドルへ
スタンダードチャータードは、イーサリアムで最も取引の活発なレイヤー2スケーリングネットワーク「
Arbitrum (ARB)」の正式な調査カバレッジを開始し、2030年末の目標価格を10ドルに設定した。公表時点のARBは約0.15ドルで推移しており(CoinGeckoの価格データ)、目標は現状の約66倍に相当する。Geoff Kendrick氏が率いる同行デジタル資産リサーチチームのリポートは段階的な上昇シナリオを描く。2026年末に0.50ドル、2027年に1.50ドル、2028年に3.50ドル、2029年に6.50ドルを経て最終目標へ到達する見通しだ。チームは同じ期間、ARBがビットコインとイーサリアムの両大物を上回ると予測しており、同じリポート内でBTCは今年中に10万ドル、2030年に50万ドル、ETHは今年中に4,000ドル、2030年に4万ドルを想定している。同行は先月、Chainlink(LINK)に対しても2030年目標200ドルの類似カバレッジを開始しており、Uniswapなど他のDeFi銘柄も対象に含まれる。
Arbitrumへの見立てが他と一線を画すのは、7月に稼働した収益の流れにある。Arbitrum拡張プログラム(Arbitrum Expansion Program)では、Arbitrumの技術を使って構築され、Arbitrum OneまたはNova以外で決済されるチェーンは、純プロトコル収益の10%をArbitrum側に還元しなければならない。Kendrick氏はArbitrumを、銀行や資産運用会社が金融商品をオンチェーンへ移す際の機関投資家向けインフラと位置づけている。カバレッジの中核的な前提は、トークン化資産の市場が現在の約3,400億ドルから2028年末に4兆ドルへ拡大し、このうちトークン化株式だけで7,500億ドルに達するというものだ。氏はトークン化株式に関するDTCCの取り組みや、米国の市場構造関連立法の進捗を「まだ織り込まれていない好材料」と挙げ、今後は同じ料率を支払う伝統金融系チェーンがさらに増えることで、ARBはレイヤー1並みのバリュエーションへ再評価されうると論じる。リポートはリスクも明示する。トークン化が想定より遅れる可能性、競合にシェアを奪われる可能性、そしてネットワークを通過する手数料からARBが直接的な価値をほとんど得られない点だ。同氏の枠組みは「デジタル資産は収益が問われない局面から、収益が最重要視される局面へ移行しつつある」というものだ。
ロビンフッド・チェーンが支える収益エンジン
目標価格の裏付けとなる収益エンジンは、すでにオンチェーンデータで確認できる。証券会社Robinhoodが
Arbitrum (ARB)の技術基盤上に構築したトークン化特化ネットワーク「Robinhood Chain」は7月1日に稼働し、拡張プログラムの看板クライアントとなった。9月1日には375万ドルの手数料を支払い、開業から2か月のネットワークが一時、イーサリアムメインネットとBaseを上回る日次手数料を記録。9月4日には日次手数料が604万ドルでピークに達した。この流れには、先の当社報道で追跡したRobinhood Chainの70日間にわたる支払い——総収益4,258万ドルに対する426万ドル——が含まれる(関連記事)。その後はペースが鈍化し、オンチェーンデータでは9月14日のRobinhood Chain手数料が44万8,616ドルとなっている。ただし月初2週間の平均は1日あたり280万ドルで、同行は9月の拡張プログラム手数料を約500万ドルと読んでいる。鈍化後の水準でも、Arbitrumの月次収益は稼働前の5倍以上で推移している。プログラムの配分では10ポイントのうち8ポイントがDAO財務庫へ、2ポイントが開発者ギルドへ流入し、9月上旬の30日間で約132万ドルに相当した。Arbitrum Foundationの2026年上半期報告は視野をさらに広げる。DAOは上半期に4つの収益源から計619万ドルを獲得し、7月の拡張プログラムによるライセンス料がDAOの月次収益の35%を占めた。活動面もテーゼを裏づける。上半期の取引数は4億7,800万件、月次のステーブルコイン転送額は70億ドル超で、トークン化された実世界資産を扱うネットワークの中でArbitrumが突出しているという。なお、過去のRobinhood Chain収益急増はARBの120%ラリーを後押しした経緯がある(ラリー関連の先稿)。参入を検討するトレーダーは暗号資産取引所比較ガイドで各取引所を比較できる。リアルタイムの市場追随にはBybitで現物・先物のライブ価格を確認可能だ。
DAO財務庫への手数料、保有者利回りではない
10ドル目標を支えるバリュエーション計算は、同行が示す補助データによれば厳しい水準にある。総供給量は100億
Arbitrum (ARB)、流通量は約66億7,800万ARBで、現在の流通規模のままなら目標時点の時価総額は約668億ドルに達する。2030年までに供給が全解除されれば、完全希薄化後の評価額は約1,000億ドルになる計算だ。一方、BernsteinはRobinhood Chainの取引手数料を1日200万〜400万ドル、15日間の累計で約3,300万ドルと見積もり、その約10%がArbitrumの収益配分に紐づくとしている。Arbitrum One自体については、L2Beatの集計で保護価値(TVS)は107億ドルに達し、引き続きStage 1ロールアップの要件を満たす。より狭義のDeFi TVLは約13億9,000万ドル、オンチェーンのステーブルコインは41億ドル、日次取引数は約194万件、アクティブアドレスは10万件、24時間のパーペチュアル出来高は21億7,000万ドルとなっている(05:49 UTC時点)。
2つの筋書きを並べると、当社のArbitrum調査カバレッジの中で一つの弧が描かれる。すなわち、ナラティブではなく実在手数料に基づく、機関投資家級のARBバリュエーション根拠である。ただし当社デスクが最も注視するのは、リポート自体の留保だ。拡張プログラムの収益は運営資金としてDAO財務庫に入り、ARB保有者へ直接流れないため、ネットワーク収益とトークンのトークノミクスの結びつきは依然として緩い。この結節点が、伝統金融系チェーンの採用拡大とともにどれだけ強くなるかが、レイヤー1型の再評価が正当化されるかを左右する。その時点までは、10ドル目標は保有者にとってのベースケースではなく、あくまでシナリオの一つだ。
AIによって生成され、AIによるレビューを経て、COINOTAGの編集監督のもとで公開されました。

