用語集概念
トークン化株式とは?
トークン化株式とは、企業の株式をブロックチェーン上のトークンで表したものです。トークン自体が株式の記録である場合、保管機関が持つ株式への権利を表す場合、株価に連動するだけの商品である場合があり、どれかによって持てる権利が変わります。
執筆: COINOTAG Research Desk最終更新 出典
株式のトークン化とは
株式のトークン化とは、企業の株式やその権利をブロックチェーン上に記録し、移転できるトークンにすることです。その結果できたものが「トークン化株式」で、2つの言葉は同じ考え方を指しています。同じ手法は債券や投資信託の持分、金などのコモディティにも使われます。株主名簿や受け渡しを、仲介業者の連鎖ではなく共有された台帳で管理できる点が主な狙いです。
米国証券取引委員会(SEC)の投資家教育サイトInvestor.govは、トークン化証券(デジタル証券とも呼ばれる)を、株式・債券・ファンド持分などの金融商品をブロックチェーン上の暗号資産の形で表したものと定義しています。
トークン化株式の仕組み:3つの型
Investor.govは、証券をトークン化する方法を次の3つに分けています。
| 型 | 仕組み | 保有者の権利 |
|---|---|---|
| 発行体による発行型 | 会社またはその代理人が株式を直接ブロックチェーン上で発行する | 同じ種類の従来の株式と同じ権利(議決権・配当・所有権) |
| カストディ型 | 仲介業者が保有する株式への間接的な権利をトークンが表す | 従来の株主と同じ権利。証券会社を通じて株を持つのと同等 |
| シンセティック(連動)型 | 第三者が他社の株価に連動する証券やデリバティブを発行する | 価格の連動のみ。株式を発行した会社への請求権はない |
連動型では、トークンの価値は株価と発行体が義務を果たせるかどうかにかかっています。トークンの発行時に株を買い、償還時に売る仕組みがあれば、トークン価格は株価の近くに保たれます。トークンは多くの場合イーサリアムやソラナなどでスマートコントラクトを使って発行され、暗号資産ウォレットで保管できます。
トークン化で何ができるか
- 少額での保有:1株を細かく分けて持てます。
- 長い取引時間:取引所の休場中もトークンはブロックチェーン上で移転できます。ただし休場中の価格は株式市場ではなく、トークン市場の需給で決まります。
- 速い決済:移転は数分で完了します。
ただし、会社の価値や業績、株式に付く権利そのものは、上場している取引所と会社の株主記録で決まることに変わりはありません。
xStocksなどの商品名とトークン化株式
トークン化株式は商品ブランドの名前で提供されることが多く、xStocksは米国株に連動するトークンをまとめたブランドの一例です。ブランド名だけでは、どの型のトークンかはわかりません。どの権利が付くか、誰が発行し、株式をどこで保管しているかは、発行書類で確認する必要があります。「トークン化株式」はカテゴリー、xStocksはその中の個別の商品名です。
現実資産(RWA)の一部としてのトークン化株式
トークン化株式は、現実資産(RWA)のトークン化という大きな流れの一部です。現物の金に裏付けられたテザーゴールドやパクソスゴールドはコモディティ側の例で、トークン化ファンドや債券に取り組むプロジェクトとしてはOndoがあります。RWAはTradFi(伝統的金融)の資産をブロックチェーンに載せる仕組みですが、資産の法的な性質は変わりません。
規制上の扱い
多くの国では、トークン化された証券はブロックチェーン上にあっても証券のままで、既存の証券規制の対象になります。
- 日本:金融庁の制度概要によると、2019年の法改正(2020年施行)で、株式などの権利をトークンで表示したものは金融商品取引法の対象として整理されました。投資家が収益分配を受ける権利を持つトークンの発行はSTOとも呼ばれます。
- 米国:SECのヘスター・M・パース委員は2025年7月9日の声明で「トークン化証券も証券である」と述べ、原資産の法的・実質的な所有権を与えないトークンは、個人が取引所外で取引できない証券ベースのスワップに当たり得ると指摘しました。Investor.govによると、SECは2026年3月17日の解釈リリースで、トークン化証券は証券でありSECの規制対象だと示しました。
- 欧州連合:暗号資産市場規則(MiCA)は金融商品に当たる暗号資産を対象外としており、トークン化株式はMiFID IIなどの金融商品の規則に従います。
- UAE:証券商品庁(SCA)がセキュリティトークンの規則を定めています。
そのため、居住国や投資家の区分によって購入できない場合があります。
チャートで見る:米国株の価格とテクニカル分析
トークン化株式は企業の株式に連動するため、まず元になる株価を追うことが理解の近道です。
- エヌビディア(NVDA)株価。会社についてはエヌビディアを参照。
- アップル(AAPL)株価
- テスラ(TSLA)株価
トレンドや価格帯はエヌビディアのテクニカル分析、そのほかの株式・ETF・コモディティは米国株・ETF・コモディティの価格一覧で確認できます。伝統的金融と暗号資産の動きはTradFiニュースにまとめています。
株式無期限先物・プレIPO無期限先物との違い
トークン化株式は株式やその権利を表します。株式無期限先物は株式を持たずに株価へレバレッジをかけるデリバティブ、プレIPO無期限先物は未上場企業の評価額に連動するデリバティブで、元になる株式はそもそも取引されていません。
トークン化株式のリスク
- 発行体・保管機関のリスク:連動型やカストディ型では、発行体や保管機関が義務を果たせなくなると価値が株式と切り離されるおそれがあります。
- 権利の範囲:配当や議決権が付くかどうかは型と発行条件によります。
- 価格のずれ:休場中や流動性が低いときに、トークン価格が株価とずれることがあります。
- 流動性:取引が少ないと希望の価格で売買できないことがあります。
- コーポレートアクション:株式分割や配当をトークンにどう反映するかは発行体の規則次第です。
- 規制の変化:制度変更で取引できる地域や条件が変わる場合があります。
リスクに関する注意
トークン化株式は元の株式と同じ権利を持たない場合があり、発行体・保管機関・スマートコントラクトに関わるリスクが加わります。
よくある質問
株式のトークン化とは何ですか?
株式やその権利をブロックチェーン上に記録し、移転できるトークンにすることです。その結果が「トークン化株式」で、2つの言葉は同じ考え方を指します。
トークン化株式を持つと株主になれますか?
型によります。発行体による発行型やカストディ型は株主の権利を持てる場合がありますが、連動型は価格に連動するだけで、株式を発行した会社への請求権はありません。
トークン化株式とxStocksは同じものですか?
違います。トークン化株式はカテゴリーで、xStocksは米国株に連動するトークンを提供する商品ブランドの一つです。付く権利は発行書類で確認します。
トークン化株式はRWA(現実資産)ですか?
はい、RWAの一部です。技術的にはブロックチェーン上のトークンですが、多くの国では法律上は証券として扱われます。
トークン化株式と株式無期限先物の違いは何ですか?
トークン化株式は株式やその権利を表すトークンです。無期限先物は株価に連動するデリバティブで、株式を保有せず、レバレッジや清算の仕組みがあります。
トークン化株式は誰でも買えますか?
多くの国で証券として規制されるため、居住国や投資家の区分によっては購入できません。発行体の条件と自国の規制を確認する必要があります。

