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ZachXBTがEU機関からの1億600万ドル盗難資金を追跡、Moneroへの送金経路を特定

ZachXBTの調査により、EU機関から不正に引き出された1億600万ドル超の資金がUSDC・USDTからイーサリアムとインスタントスワップを経てMoneroに変換された経路が判明した。Lazarus Groupの関与は極めて低いと評価されている。

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2026年11月3日, 10:20 JST1分で読めます
AI要約AI
  • 盗難資金は11月1日にUSDCとUSDTで不正に引き出された
  • 資金の一部はWagyu経由でMonero(XMR)に変換された
  • Lazarus Groupの犯行可能性はZachXBTの評価で極めて低い
  • Binanceで10月29日に約63億ドルの資金流出が発生
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USDCからイーサリアム経由でMoneroへ

1億600万ドルを超える盗難デジタル資産が、中央集権型取引所の管理口座からイーサリアムを経て、最終的にMoneroへと至る経路を辿っている。オンチェーン調査者のZachXBTが11月2日に明らかにしたところでは、欧州連合(EU)内のある組織が複数の中央集権型取引所に保有していた口座から、その前日の11月1日、ステーブルコインのUSDCとUSDTの形で資金が不正に引き出されたという。被害組織の名も、関与した取引所の名も公表されておらず、資金の回収に関する発表もまだない。記録上確認できる最初の経路はUSDCをイーサリアム(ETH)に変換するもので、ステーブルコインが管理を離れてからほぼ即座に交換されたことを意味する。換金にはインスタントスワップサービスが使われ、報告書ではWellWalletとKyrrexの名が挙がっている。資金はそこから複数のチェーンをまたいで移動を続け、ブリッジプロトコルに類するクロスチェーンサービスWagyuを使って一部がMonero(XMR)に変換された。経路全体で完全に読み取れる区間はイーサリアムの部分だけだ。すべての送金が公開記録上、時刻と宛先アドレス付きで残るからである。Moneroは正反対の目的のために設計された通貨であり、そのブロックチェーンは送金者・受取人・金額のすべてを隠す。盗まれた資金が追跡を断ち切るためにMoneroへ流されやすいのは、この構造のためだ。今回の事案が典型的な取引所ハッキングとは異なって見えるのは、まさにこの透明性の非対称性のためであり、Etherscanレビューで解説したオンチェーン追跡の観点からも読み解ける。経路の出発点でインスタントスワップサービスが選ばれたことにも理由がある。大手取引所なら新規の8桁ドル級の引き出し申請に課す出金保留や本人確認を、こうしたサービスは介さずに資産を素早く交換できる。大きな残高を多数の送金に分割しても、1回ごとのコストは通常のガス代と大差ない。

ZachXBTは、北朝鮮系のハッキング組織として知られるLazarus Groupの犯行である可能性を「極めて低い」と評価した。被害組織の属性ではなく、洗浄手法そのものを読んだ上での判断である。この結論が出されたのは、攻撃元の特定をめぐる報告が相次いだ週だった。10月29日にはBinanceからおよそ63億ドルと報じられる資金流出が発生し、FBIは公式声明でこの攻撃を北朝鮮の関与と結論づけた。国家に関連する組織は、盗んだ資金を時間をかけて現金化できる手段でゆっくり処理する傾向があるため、今回のケースとの区別は重要な意味を持つ。同じ期間、仮想通貨プラットフォームへの攻撃は連続して発生した。ブラジルの大手取引所Mercado Bitcoinは11月2日、自社システムの一部でセキュリティ事故を検知したとして入出金を停止した。同社の発表によれば顧客に損失はなく、データ流出も確認されていないが、ブロックチェーンセキュリティ企業Hypernativeの推計では、同社関連のウォレットから4,000万ドルを超える資金が流出したとみられる。また、オープンソースのビットコイン決済処理ソフトウェアBTCPay Serverは11月1日、自己ホスト型インスタンスのホットウォレットから不正な引き出しが報告されたとして、運用者にサーバーの停止を呼びかけた。同プロジェクトは設計上セルフホストで運用されるため、露出の程度は運用者ごとに異なる。開発チームは攻撃が2026年7月23日リリースのバージョン2.4.1以前を実行するサーバーを標的としたことを確認し、旧バージョンを動かしている全ての運用者に対し、残りのホットウォレット残高を別の場所へ移し、新しいウォレットを用意した別サーバーへ移行するよう指示した。取引所の口座か、決済処理のチェックアウトか、運用者のノードかを問わず、ホットウォレットが今週の一連の事故に共通して横たわる要点である。

契約ではなく取引所の管理口座

今回の盗難はスマートコントラクトの不具合によるものではない。資金は取引所の管理口座に置かれており、出金という形で外部へ出ていった。 Lazarus Groupを除外する判断を裏付けたのは、コードを突く攻撃ではなく、洗浄の設計そのものだった。一方で、ブロックチェーンの透明性は監視の目も同じだけ強める。巨大な持ち高を持つホエールが5時間で6,297万ドルを27,553 ETHの買い付けに投入した動きも、Kanye Westに関連するウォレットのBinanceからの2,074 ETHの出金も、誰もが確認できる公開記録の上にある。今回の経路について調査者がイーサリアムの各区間を一送金ずつ読み取れたのは、同じ透明性の力だ。イーサリアムネットワーク区間の記録は監視できるが、Wagyu経由でMoneroに変換された時点でその可視性は途切れる。そして、読めなくなる区間こそが、この洗浄設計の狙いである。11月2日の報告時点で、盗難資金の最後に記録された場所はWagyuを経由するクロスチェーン変換によるMoneroへの送金であり、それ以降の記録は公表されていない。

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