DWF Ventures、StrategyのBitcoin(BTC)株mNAVを0.97倍と評価
DWF Venturesが9月24日発表のレポートで、暗号財務戦略企業20社のうち含み保有を上回るのは4社のみと判明。最大のBTC保有者StrategyはmNAV0.97倍。
AI要約AI
- DWF Venturesが9月24日にX上でDAT業界のmNAV分析レポートを公開
- 最大の法人BTC保有者StrategyのmNAVは0.97倍、最下位のSovereignAIは0.22倍
- Bit Digitalが1.49倍で首位、Striveが1.21倍、BitMineは1.02倍
- SECがETF上場プロセスを75%以上短縮する提案でDATの希少性プレミアムが剥落
上位20社のうち純資産価値を上回ったのはわずか4社
DWF Venturesが9月24日にX上で公開したリサーチレポートによれば、暗号資産を大量保有する上場企業のうち、時価総額がデジタル資産の含み価値を上回っているのは、上位20社中わずか4社にとどまる。暗号財務戦略企業(DAT)とは、暗号資産の購入・保有を軸に経営を行う上場会社のことで、その評価の基軸となるのがmNAV(時価総額を純資産価値で割った倍率)だ。貸借対照表上のトークンの時価と企業の時価総額を比較する指標であり、1.0倍を下回っているということは、株式が裏付け資産に対してディスカウント価格で取引されていることを意味する。表面上、株主はトークンそのものより安く実質的なエクスポージャーを手に入れられる計算になるが、それが成立するのは乖離が実際に解消される場合に限る。9月21日時点のバランスシートデータでは、Bit Digitalが1.49倍で首位、次いでStriveが1.21倍、Hyperliquid Strategiesが1.17倍、BitMineが1.02倍と続く。企業として最大のBitcoin(BTC)保有者であるStrategyは、DWFの集計で0.97倍にとどまり、最下位はSovereignAIの0.22倍だ。注目すべきは、これらのmNAV数値が借入金と優先株を除外している点で、レバレッジ調整後のディスカウントはさらに深いというのがDWFの指摘だ。レポートは、このディスカウントの根源を「アクセスプレミアムの縮小」に求める。かつて規制されたファンドは現物暗号資産を直接保有しづらく、上場ラッパーを経由するのがコンプライアンス上ほぼ唯一の手段だったため、機関投資家はDAT株に割増料金を払っていた。しかし状況は変わった。ETF、規制されたプライベートファンド、さらに直接運用を可能にするクリプトウォレット・カストディ基盤と、選択肢が大幅に拡大している。加えて、SECがETF上場審査プロセスを75%以上短縮する提案を打ち出したことで、コンプライアンス商品の選択肢はさらに増え、トレジャリーストック形式の希少性プレミアムは剥落した。市場は今、DAT株式を資産価値へ向けて再評価しており、上位20社のうち16社がすでに含み損に沈んでいる。
X上で公開したリサーチレポートhttps://x.com/DWFVentures/status/2103108868071190610
三カ月で効く「キャッチアップ」トレード
同一レポートのパフォーマンスデータは、なぜこのディスカウントが長く続くのかを説明している。設立以来の累計では、単にトークンを保有し続けたほうが投資家の成績は上だったケースが大半を占める。基礎資産を上回った少数のDATも、株式リスクを取るに値するほどの差では勝てておらず、レバレッジや方向性のエクスポージャーを求める買いたちには、トレジャリー株の代理よりも規制された先物取引商品という代替手段がすでに存在する。ただし短い期間で見ると様相が変わる。7月以降、トレジャリー株はトークンを15%〜40%上回る騰幅を記録し、mNAV倍率も0.5〜0.8倍のボトムから0.7〜1.0倍のレンジへ持ち直した。この上昇の正体は主として機械的なものだ。倍率が低位にあるとき、トークンがわずかに回復するだけでディスカウントの圧縮を通じて株価側の伸びが増幅される。つまりこれはアルファではなく、遅れていた分を取り戻すキャッチアップの波だ。実際、Hyperliquid(HYPE)を保有するHyperliquid Strategies(PURR)は同期間でトークンを31%上回って上昇し、Zcash(ZEC)を国庫に抱えるCypherpunk Technologies(CYPH)はZECに対し38%のアウトパフォーマンスを示した。しかし肝要なのは、この上昇の間に1株当たりのトークン数がほとんど動いていないことだ。DWFはここから、アウトパフォーマンスをセンチメント、すなわちバランスシート改善ではなくフロアのFOMOに近い波として読む。寿命はおよそ三カ月で、その後は再びトークン保有のほうが優位に回るという。今後、DWFは経営陣や資本構成がDATの評価を左右する度合いを強めると見る。その事例として挙げられるのがStrategyだ。同社は債権者を償還順位の最上位に置き、優先株配当の支払い義務を継続的に抱える。レポートは、この支払いが最終的にBitcoin売却を強い、普通株主を希薄化しうると警告する。信頼が一度崩れると、StrategyのmNAVは同一のプレミアム機構が逆回転した下降スパイラルに陥りかねない、とDWFは論じている。 市場をリアルタイムで追いたい読者は、Gateで現物・先物価格をライブで確認できる。
評価軸の主役は資本構成へ
公式ポストの数値を当方が読み解く限り、このレポートはDATプレミアム時代の終わりを宣言したものと受け取れる。ETF、プライベートファンド、カストディが直接エクスポージャーを安価に提供するいま、上場ラッパーが希少性価値を稼ぐ時代は終わった。これは、バランスシート上の暗号資産保有が価値を生むか毀損するかをめぐって議論になったDeFi 2.0論争の再演とも呼べる再評価だ。残るのは資本構成の設計だ。配当義務、債務の償還順位、希薄化リスクこそが倍率を動かす。だからこそ、上位のBit Digitalの1.49倍よりも、最大の法人BTC保有者であるStrategyの0.97倍のほうが、市場にとって重みのあるシグナルとなる。今後は各社の経営判断によってmNAVが収束するのではなく、乖離が拡大する展開を想定しておくべきだろう。
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