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100万円上限で意見が割れる、金融庁研究会のステーブルコイン議論

金融庁の研究会が11月2日、円ステーブルコインの100万円上限を議題に。JPYCとSBI VC Tradeが緩和を要請した一方、全国銀行協会はデジタル取り付け騒ぎのリスクを挙げ慎重な検討を求めた。

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2026年11月3日, 03:06 JST1分で読めます
gate.com

金融庁研究会、100万円上限を議題に

金融庁は月曜日、デジタル・分散型金融に関する研究会の第2回会合でヒアリング資料を公開し、円ステーブルコインの発行を律する上限を議題にかけた。論点の中心は、第二種資金移動業に課された1件あたり100万円の送金限度額だ。第一種電子決済機関の発行者はこの制度下で登録するため、同じ上限が発行(ミント)の段階にも及ぶ。また、USDCのような海外発行の決済手段を扱う取引所にも、同額の100万円送金制限が同等に適用される。事務局はこの上限を、資金移動業者の参入障壁を下げる見返りとして位置づけ、今後どうあるべきか委員に問うた。会合は、オンチェーン金融を公式議題に据えステーブルコイン枠組みを検討対象に挙げた7月21日の政府の金融戦略を受けたものだ。事務局資料は議題を5点に整理した。現行制度と準備資産、100万円の送金限度額、貸付、預金取扱機関によるステーブルコイン発行、そしてトークン化預金である。発行者のJPYCは、上限が下流でなく発行時に効くと指摘した。発行者が管理しない自己管理ウォレット間の送金は上限の対象外だが、自治体や企業が資金を一括で受け取りJPYCへ換える行為は1回の両替取引と数えられる。同社の試算では、住民10万人に1人あたり5万円の給付金を支払う場合、5,000回に分けた発行を通じて計50億円のJPYCをミントすることになる。提出資料の中で同社は、各受給者の配分が100万円未満にとどまる一括発行の位置づけを明確にするよう求め、国、自治体、銀行、証券会社、KYC済み上場法人などの取引相手について上限の撤廃か別枠の設定を要請した。あわせて取引モニタリングの強化も申し出ている。

銀行側、デジタル取り付け騒ぎのリスクを警告

円建てのJPYSCに加え、ドル建てのUSDCとRLUSDを扱うSBI VC Tradeは、自社提出書類で上限がもたらす実務上のコストを示した。JPYSCは信託型の第三種電子決済機関として発行され、上限を負わない。一方、ドル建ての2銘柄には100万円の送金限度額と、それを超える保有を防ぐ措置がかかり、同社はこのため法人の越境送金や大口決算の需要に応えられないと訴えた。同社は、送金・保有上限と第四種電子決済機関の償還要件(同社の上場銘柄ではRLUSDが該当)の廃止を、日本の制度と同等の水準を条件に委員に求めた。貸付の開示は需要の大きさを物語る。10月時点で2銘柄合計の顧客貸付残高は約107億円に達し、JPYSCが76.5億円、USDCが30.6億円と分担する。上限のため、USDCの貸付は1回あたり顧客1人につき5,000 USDCに制限されている。業種別の専用規則が存在しない現状を踏まえ、同社は仮想通貨業界に準じた貸付の監督が顧客の安心につながると主張した。これに対し全国銀行協会は反対側から懸念を示した。同協会の提出書類は、第二種の枠組みを保ったまま上限を撤廃・緩和することは、極めて慎重に検討されるべきだとしている。第二種業者は計算期間の最終日から3営業日以内に利用者資金を保全しなければならず、週末や祝日を挟むとこの猶予は暦日で10日を超え得る。従来型の預金スキームに依存する業者が破綻した場合、利用者が資金を取り戻すまで最短でも170日を要する可能性がある。同協会は、24時間365日移転できる決済手段で償還請求が数分のうちに集中するデジタル取り付け騒ぎのリスクに加え、マネーロンダリングへの暴露も指摘した。その上で、高額取引は原則として免許制の第一種制度と追加の監督の下に置かれるべきだと述べた。

今回公表されたのは研究会のヒアリング資料であり、法改正案ではない。改訂の決定には至っていない。それでも、提出書類の足跡は妥協点のありかを示している。事務局は貸付が現時点で包括的な規制の対象外であることを確認し、電子決済機関が資金とみなされる投資業務法の預金取扱規定、さらに銀行発行ステーブルコインとトークン化預金という未解決の論点を挙げた。2社の発行者側の提出を読み合わせると、銀行セクターの反対はステーブルコイン自体ではなく第一種と第二種の境界線に向けられている。これは、上限の全面撤廃より先に、検証済みの高額取引相手への緩和が先行しうることを示唆する。次回会合の議題が、発行段階の緩和と送金段階の限度額が切り離して扱われるかどうかを占うことになる。

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