Circle、USDC決済を約40の新興市場へ展開へ
Circleは10月16日、バンコクでのIMF・世界銀行年会合でUSDC決済を約40の新興市場へ広げる方針を示した。CEOのJeremy Allaire氏が語った需要背景と、対象国未公表という現状を整理する。
AI要約AI
- Circleが10月16日、USDC決済を約40の新興市場へ拡大する方針を発表
- Jeremy Allaire氏がバンコクのIMF・世界銀行年会合で構想を説明
- Samsung WalletのSui上USDCが8,200万台に到達
- EUは11月12日にUSDCを初の重要電子マネートークンに認定
更新 00:03 UTC:ステーブルコイン市場に占めるUSDCの割合は約25%で、TetherのUSDtは約60%にとどまる一方、流通高は第2四半期末に前年同期比19%増の733億ドルに達した。
Circleが掲げた40市場構想
米ドル連動型ステーブルコインのUSD Coin(USDC)の企業向け決済は、これまでCircleが公式に整理した6地域の送金経路に限られていた。対象は米国、ブラジル、メキシコ、欧州経済領域、シンガポール、香港の6カ所である。10月16日金曜日、発行体のCircleは、USDCによる決済・清算事業を約40の新興国・途上国市場へ広げる方針を明らかにした。同トークンの役割を、主要な板情報で常に評価されるドル連動資産から、国境を越える請求書決済や企業間清算へと移す狙いだ。共同創業者でCEOのJeremy Allaire氏は、バンコクで開かれている国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次会合に合わせたインタビューでこの構想を語った。同氏によると、東南アジア、ラテンアメリカ、アフリカ、中東では、企業と個人双方のステーブルコイン需要が伸びているという。当日はバンコクで全体会合が行われており、発表の時期はここで確定する。Allaire氏は今回の拡大を取引用の動きではなく決済需要への対応として位置づけた。この点が、過去のステーブルコイン流通施策との違いになる。Circleは対象国を明示しておらず、提供スケジュールも公表していない。そのため40市場という数字は現時点では開始暦ではなく方向性を示すものにとどまる。USDCの価格は設計上ドルと1対1のペッグを維持するが、決済構想はこのペッグが償還まで耐えることを前提とする。支払う側が相手側の現地通貨での受け取りを疑えば、清算トークンとしての価値はその瞬間に失われる。Circleの主張は、デジタルドルの真価が取引ではなく決済にある、というものだ。企業向け決済の野望をこの規模で明示したのは、同社として初めてである。
Allaire氏は同じバンコクでのインタビューでロイターに対し、同社が現在、ブロックチェーン技術の初期採用段階から主流でのスケーリング段階へ移る、いわゆる転換点を通過中だと述べた。先行の発表には含まれていなかったインタビューの詳細が、40市場という数字の背景にある取引である。Circleは9月8日、シンガポールに拠点を置く越境決済プラットフォームTazapayの買収を、2027年に完了が見込まれる総額4億ドルの株式交換で合意した。この買収により、拡大構想が各市場に必要とする同社の銀行接続と送金経路について、名前のついた実行手段を得ることになる。Bernsteinのアナリストは8月24日のリポートで、調整後のステーブルコイン取引量に占めるUSDCの割合を2026年はこれまでのところ60%超とし、2025年の約40%から上昇、この指標ではUSDtを追い越したとしつつ、時価総額では米ドル連動型ステーブルコイン第2位のままだとしている。
バンコクでのインタビューのさらなる詳細には、先行報道が扱わなかった市場と規制の背景が含まれる。ステーブルコイン市場に占めるUSDCの割合は約25%で、TetherのUSDtは約60%にとどまる一方、流通高は第2四半期末に前年同期比19%増の733億ドルに達した。またAllaire氏は、9月8日のTazapay買収合意と並べてBinanceがCircleに1億ドルを出資したことを確認したほか、2027年1月に発効する米国のGENIUS法のステーブルコイン枠組みに言及し、これが世界に合法的なデジタルドルをもたらすと述べた。同氏は銀行自身のステーブルコイン計画を健全な競争と呼び、銀行が支配する時代は革新者に主導される時代へと移ったと語った。
6経路から40市場へ、要るのは整備
現状を確定させる資料が、Circleの2025年USDCレポートだ。同レポートは、米国、ブラジル、メキシコ、欧州経済領域、シンガポール、香港における企業間決済の事例を記している。提携銀行を経由して企業が他の企業へUSDCで支払い、系列銀行の口座を持つ受取人がトークンを現地通貨へ換える仕組みである。このレポートの記述は、Circleにとって決済がこれまで何を意味してきたかを示す。すなわち銀行媒介で、経路ごとに閉じ、提携金融機関に口座を持つ相手に依存する形だ。発行体は、この枠組みやその変形が新たに対象となる約40市場にも適用されるかを説明していない。成否を分ける条件は具体的で、Circle自身が3つを挙げている。現地の規制、銀行との接続、そして換金と償還の実働経路である。トークンの発行だけでなく、各取引の背後にある通貨交換と銀行口座への入金まで支えねばならない。現地通貨での受取経路がなければ、新興市場でUSDCを受け取った企業は、簡単に使えず銀行にも預けられないトークンを抱えることになる。USDCは完全担保型のトークンであり、セクター初期の警戒を形づくったアルゴリズム型ステーブルコインの系列には属さない。したがって償還能力が設計上の要石になる。新興市場構想でも、企業の資金管理者が評価するのは取引板の厚みではなく償還の信頼性だ。Allaire氏は周囲の環境を方向性の裏付けと読んだ。米国と欧州では銀行連合が独自のステーブルコインやデジタル資産ソリューションの構築に着手しており、同氏はこれを伝統的金融からの競争が激化する証拠と述べた。さらにAIエージェント間の取引がUSDCの利用を押し上げているとしつつ、自動化された攻撃を含むセキュリティ脅威が採用の拡大と並行して増えていると警告した。
示されなかった事実
本稿の読みでは、ここで効いてくるのは会社が明かさなかった事実の側だ。対象国の一覧も日程もなく、6経路の銀行基盤が延伸するかの確認もない。構想は当面、戦略声明であり運用計画ではない。とはいえUSDCを巡る決済基盤は別の場所で積み上がってきた。カード決済向けのVisaによるUSDC決済実証、Samsung WalletでのSui上USDCが8,200万台に達した件、そして11月12日の欧州連合による初の重要電子マネートークン認定。いずれも取引ではなく決済インフラにコインを固定する動きである。2026年上半期のCircleによる8億1,900万ドルのパートナー支払いに関する本誌の先行報道は、銀行経由の経路を大規模に運用する現実のコストをも示している。各展開は随時、本誌のUSDC記事一覧で追跡する。会社が文書化した6経路を基準とすれば、次の開示で検証される数字は約40市場である。
AIによって生成され、AIによるレビューを経て、COINOTAGの編集監督のもとで公開されました。

